無性に会いたくなる昔の友達
ちょっと心に穴が空いたようなときに、昔の友達を思い出すことがある。
仲がよかった人もそうだが、そうでない人もいる。
そうでない、というか微妙に仲がよかった人。
その人の存在に少し憧れを持っていたのだと思う。
意気投合というほどの親近感はなく、気持ちのなかにある程度以上、入っていけないような人。
一緒にいても、違う世界が見えているような人。
遠く離れて、年賀状だけのやり取りになり、そのやり取りが十回とか二十回とか過ぎた頃にパタっと来なくなる。
ハガキが宛先不明で返ってくる。
そう言えばあいつの結婚式に行ったなあ、子供の誕生祝いにディズニーのぬいぐるみを送ったなあ。
いまはどこで、何をしているのだろう。
昔の友達には、一緒に遊びに行ったり、行動を共にしたり、サシで話をしたときのシーンが伴うことが多い。
そのシーンを思い出して懐かしくなり、無性に会いたくなる。もう一度その関係が戻ってくるような気がして。
しかし、そんなことはおそらくあり得なくて、会いたいと思っているのはきっと自分だけなのだ。
そう思うと少し寂しくなって、シーンだけが幾つも頭をよぎっていく。その繰り返し。