女性として生きるということ
生まれ変わったら、
男性と女性のどちらに生まれ変わりたいですか?
男の人は、少しだけ迷って、あるいは全く迷わず「男性」を選び、女の人は「男性」と即答する人と、かなり迷って「女性かな、」と答える人が多いんじゃなかろうか。
女性として生きることは、はっきり言って、
かなり面倒で大変なことが多い。
生理は月に一度、身体も心もしんどくさせて、テストや行事、デートなんかとの兼ね合いに心を砕かせる。(学生時代には、男の子は生理が無いから試験で有利だよなぁ、なんて思っていた。)
規則正しくやってくるならまだしも、不規則な場合は予定を立てる時にも毎回不安になってしまう。プール、温泉や旅行などの特別なことに限らず、映画やただの遠出でも、重たい日に被らないことを願う。
ホルモンバランスの変化で悲しくなったりニキビが出来たり、避妊に気を付けなくちゃと思っていたら、数年後にはむしろ不妊治療をしていたり、やっと妊娠と喜んでいたら、あっという間につわりが始まりオエオエ言っていたりする。
つわりが落ち着くと、大きなお腹で呼吸は浅く疲れやすく、腰が砕けそうに痛くなったり、夜に何度もトイレに起きたり、一日中眠たくなったり不安になったりする。
のたうち回ってやっとの思いで我が子を産んだと思ったら、ぼろぼろの身体ですぐに始まる、手探りの育児、眠れない夜。
子供が居る男性ほど、男性に生まれ変わりたいと言うんじゃないだろうか。だって、奥さんを間近で見ていれば大変さがいやでも分かるはず。自分で産まずに我が子が得られるなら、自分で産まずに済みたいと思ってしまうのは当然といえば当然。
そういえば、産後わりとすぐ、
“ハリウッドセレブが代理母出産をした”というニュースをみて、羨ましく感じてしまったこともある。もちろん、代理母の人権、倫理的な問題など、議論が山積みのことは承知の上で。
その人は、華やかな恋愛遍歴ののち遅めの結婚をしたけれど、若いうちに凍結していた卵子を使って新しいパートナーとの受精卵をつくり、代理母に移植していた。
すごい、自由自在だ。
同じ時代に、こんな世界があるんだと改めて気付かされた。きっとその子は、主にベテランナニーに育てられあげるのだろうけど、と勝手に少し寂しい気持ちにもなった。これは偏見だといいな。
女性に生まれたことを後悔はしていない。
大変だけど。
私はわたしとして、この人生を生きて、ちょっと聞いてくださいよ、女性って意外と色々大変なんですよ、と文章に出来ているので、それで案外満足しております。それに正直、女性であることに助けられたこと、甘えてしまったこともゼロとは言わない。
それにしても、みんな大変な素振りを見せずに、生きてて、すごいよなぁ。大変、たいへんって、言ってても人生進まないもんなぁ。
いつもより丁寧にメイクして、ちょっとスタイルがよくみえる気がするワンピースを着て、スプリングセールを闊歩して、女性の人生の大変な分を取り返して来ようと思います。
P.S.
この前、私のお気に入りの作家さんを思い浮かべたら12人中9人が女性だったのですが、これは例えば男性だったらお気に入りは男性の作家さんの方が多かったりするのでしょうか。