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読書ノート

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読書をして心に残った言葉や新たに得た知識、感じたこと、考えたことを書いています。
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2020年4月の記事一覧

魂が鳴く 読書ノート#20

<著書名> 草枕 <著者> 夏目漱石 <レーベル> Kindle 長編の名作など僕と同じぐらいの世代の人は、よっぽどの読書家でない限り、全てを読み通すことは少ない。。。と思う。大抵、冒頭の一段落ぐらいを学校の授業で習ってそれで終わりなんてこともある。 夏目漱石「草枕」は、僕にとってそんな作品だった。しかし、大学生にもなったし、世の中がこういう状況なので日本の名作も一度、読む必要があると感じた。本を買いに行くのも外出することになるしなあ。。。ってことでKindleで読んだ初

捨てる力 読書ノート#19

<著作名> 捨てる力 <著者> 羽生善治 <レーベル> PHP文庫 日々の暮らしが窮屈になっていく中、自分の展望が明るくなり、今やるべきことは何かという「考え方」の部分に指針を与えてくれる書籍に出会った。ここ半年くらいで読んだ本の中ではダントツに刺激を与えてくれた。 私は、何回か斉藤孝氏や外山滋比古氏の本を紹介している。両氏の著書には共通する考え方がいくつかあり、私もそれをよく実践する。羽生氏もこのグループに入りそうだ。今回は、3人の方が日々している考え方を本書の引用を元

乗り物、ニューヨーク、宇宙 読書ノート#18

一見なんの関わりもないように見える今日のタイトル。それもそのはず。今日、私が久しぶりに思いのまま手にとった本たちだ。 でも一つだけ共通点があることを忘れてはいけない。 そう、どれも世界を揺るがすウイルスに今なお影響を受けているということだ。 <タイトル>新交通システム <著>吉川文夫 <レーベル>カラーブックス モノレールや「ゆりかもめ」などの新交通システムのことを紹介。1990年に出版されている書籍なので、情報はかなり古いが、それなりの興味深さがある。 モノレール

文鳥と恋愛関係 読書ノート#17

<著作名>文鳥 <著者>夏目漱石 <レーベル>kindle ある日、夏目漱石の家に詩人の鈴木三重吉がやってきて、文鳥を飼えという。漱石は、三重吉に全てを一任。ある時、約束通り文鳥と籠を持ってきた三重吉は、熱心に文鳥の飼い方をレクチャーする。最初の頃は文鳥を世話する漱石だが、次第にお手伝いさんにやらせたりして、世話をしなくなっていく。すると、ある時、文鳥は息途絶えてしまった。 というあらすじだけ見ると、非常に単純なストーリーなのだが、どうも気になる箇所がある。 三重吉の小

寺田寅彦の随筆を読む① 読書ノート#16

<著作名>数学と語学・科学者とあたま <著者>寺田寅彦 <レーベル>kindle 寺田寅彦という科学者をご存知だろうか。寺田寅彦は、夏目漱石の友人として知られている。漱石の「吾輩は猫である」の水島寒月のモデルとしても知られている。また、「天災は忘れた頃にやってくる」と発言した人として有名である。 実は、寺田さんの随筆は科学好きにはたまらないほど興味深い。今後も何作品か読んでいくつもりだ。著作権が切れ、青空文庫で読むことができる。非常に短いので、読みやすい。 今日は2作品

一挙一動皆責任あり 読書ノート#15

<著作名>人生 <著者>夏目漱石 <レーベル>kindle 昨日の「夢十夜」に引き続いて、今日も夏目漱石の作品をかじってみる。 「人生」は、夏目漱石の作品とは一風変わった文体であると思う。格調高く、少し読みにくい。だが、夏目漱石がどう云う風に人生を考えているのかを理解するには、分かりやすい作品である。 この作品の真髄は、次の一文に尽きる。 思ひがけぬ心は心の底より出で来る、容赦なく 且 乱暴に出で来る 私は、目標がなくても、アイデアがすぐに出てこなくても、焦る必要は

こんな日常も「夢」なのか 読書ノート#14

<著作名>夢十夜 <著者>夏目漱石 <レーベル>Kindle なかなか大学が始まりそうにない。こんなに時間のある日常は、もう生きている限りないんじゃないかと思えてきた。一見、無味な日常かもしれない。しかし、この「今」を生かすことを考え、日々成長していかなければならない。そこで、世の中で名作と言われ、何百年も引き継がれている作品を読むことにした。「青空文庫」で公開されている作品だと思っていただけると分かりやすい。紙の本を買うのは、時間もかかる。だからkindleで読むことを選