こんな日常も「夢」なのか 読書ノート#14
<著作名>夢十夜 <著者>夏目漱石 <レーベル>Kindle
なかなか大学が始まりそうにない。こんなに時間のある日常は、もう生きている限りないんじゃないかと思えてきた。一見、無味な日常かもしれない。しかし、この「今」を生かすことを考え、日々成長していかなければならない。そこで、世の中で名作と言われ、何百年も引き継がれている作品を読むことにした。「青空文庫」で公開されている作品だと思っていただけると分かりやすい。紙の本を買うのは、時間もかかる。だからkindleで読むことを選んだ。5年前に初めてKindleを買った。しかし、無料の本を入れるだけ入れて読まなかった。今回は、ある一つの条件をつけて読もうと思う。
その本を読むまで新しい本を入れない。
読書に集中するのだ。ということで、初回に選んだのは夏目漱石の「夢十夜」。
第一夜から第十夜まで章立てされている。第一夜から第五夜までは「こんな夢を見た」でスタート。どの章も短いので、あらすじを書いてしまうとこれから読む人の楽しみがなくなる。あえて書かない。その代わり、少しだけ私の印象に残った部分(囲い込み)と感想を書いていこうと思う。あとはご自身で読んで欲しい。
・第一夜の切なさは、半端ない。
・無だと云うのにやっぱり線香の香りがした。何だ線香のくせに。
・第四夜は、怖いです。
・大将は自分の顔を見て、死ぬか生きるかと聞いた。
→シェイクスピアのオマージュか。英文学者の夏目漱石の一面が見える。
・さすがは運慶だな。眼中に我々なしだ。天下の英雄はただ仁王と我れとあるのみと云う態度だ。天晴れだ。
今、日本どころか世界は大変な状況だ。そんな日常がいつまで続くかわからない不安がある。「日常」や「当たり前」がこんなにも大切で、自分たちのメンタルを守ってきてくれたのかとようやく気がついた。でも、そんな日常ももしかしたら「夢」の中の幻影なのかもしれない。そう気づかせてくれた、夢十夜。