4万2403名を追跡して判明!コンビニでも買える健康フード。
乳製品というと皆さんは何を思い浮かべますか?
おそらく
牛乳、チーズ、ヨーグルトなどかと思います。
これまでの研究により、
乳製品に含まれるビタミンやミネラルは循環器疾患に予防的に働く!
というものや
飽和脂肪酸や同化ホルモンは健康に悪影響かもしれない…
という報告がありましてよく分かっていません。
しかしこれまでの多くの研究は乳製品と大まかに分類しておりまして、
ヨーグルトやチーズに絞って調査した研究が少なく、
比較的乳製品の摂取量が多い西洋諸国の研究がメインでした。
そこで、ハーバード大学のFarvid先生らが
イラン人4万2403名を11年間追跡し、
乳製品(種類は関係なく)、脂肪の少ない乳製品、脂肪の多い乳製品、牛乳、ヨーグルト、チーズの摂取量と総死亡(死因は問わない)、循環器疾患、がん(種類は問わない)との関連を調査してくれています。
その結果、
乳製品の摂取量が多い群では総死亡リスクが19%低かった。
低脂肪の乳製品摂取量が多い群では総死亡リスクが17%低かった。
ヨーグルトの摂取量が多い群では総死亡リスクが11%低かった。
チーズの摂取量が多い群では総死亡リスクが16%低かった。
となっていますね。
牛乳や高脂肪の乳製品摂取量では明瞭な関連は見られませんでした。
また、この研究では脂肪が少ないチーズを摂取している方は3%と非常に少ないため、脂肪の多いチーズの影響を相殺したのではないかと考えられております。
牛乳に関しても88%の方が脂肪が多い牛乳を摂取しておりましたので低脂肪乳の影響などは分かりません。
次に循環器疾患による死亡を見ていきますと、
乳製品の摂取量が多い群で28%、
脂肪が少ない乳製品摂取量が多い群で26%、
ヨーグルトの摂取量が多い群で16%、
チーズの摂取量が多い群で26%、
リスクが低くなっていました。
ここでもやはり脂肪分の多い乳製品や牛乳では有意な関連は見られませんでした。
最後に癌について見てみますと、
全ての項目で明瞭な関連は見られませんでした。
ん~癌はさておき、
とりあえずは脂肪が控えめな乳製品は健康によさそうですな…
この研究ではBMI30以上の群では
牛乳の摂取量が多い群では総死亡リスクが高いことや癌の発症と負の関連が見られないと報告されています。
しかしながら、日本の肥満はBMI25以上ですので日本人を対象とした研究を待つ必要がありますが、あまり気にしなくてもよさそうな…
とりあえずは脂肪が控えめな乳製品、それがヨーグルトやチーズならベスト!という感じですかね。
他の先行研究ではヨーグルトやチーズが総死亡や循環器疾患による死亡と有意な関連が見られないと報告されています。
やはりこれらの結果の違いはその地域による食事や環境が影響しているものと思います。
つきつめればヨーグルトごとに菌が違いますから健康に最強な菌があるのかもしれませんね。
乳製品の摂取は脂質や血圧、インスリン抵抗性などに保護的に働くことや減量やウエスト周囲計と負の関連があることが報告されているため、これらが循環器疾患による死亡を防いでくれたのではないかと考えられていますね。
ヨーグルトを放っておくと出てくる液体はホエイですので、
筋トレをして筋肉を付けたい!という方にはヨーグルトは非常に優秀かと!(筋肉もつく上に運動とプラスして更なる健康効果が期待できるし!)
チーズやヨーグルトなどの発酵食品は菌による違いがある可能性がありますしますます研究が面白そうなところですね…
(キムチとかはどうなのでしょうか?個人的に気になっております)
そして、New England Journal of Medicineという非常に権威のある医学誌には、
牛乳の摂取は骨折と関連することなどが報告されていますので牛乳よりは他の方法で乳製品を取ればよいかと思われます…
(良くも悪くも栄養状態が改善されたので子供たちに牛乳をというのはもう…。アジア人は特に牛乳に弱い遺伝子を持っていますから…)
これが何かのきっかけになっていただければ…
皆さんからのご要望もお待ちしております。
では!
Reference