人事労務室の会話から#3 「新入社員の山田さん、最近元気ないみたい」

部下くん 「昨日の新入社員研修では、元気のないメンバーがいて気になりました。」

上司さん 「入社して4か月。一番落ち込みやすい時期かもね。」


4月に新卒社員を新たな仲間として迎えて、もうすぐ4か月。
入社間もない頃と比べて、元気や活気が少なくなってきたかも・・・と感じる先輩や人事担当者の方もいるかもしれません。

良い意味で、少し落ち着いて、社会人らしくなってきたのかな?
そんな可能性ももちろんあるでしょう。
新しい環境に身を置き、少し経った4か月頃。この時期は、実は一番落ち込みやすいのをご存じですか?

上司さん 「ハネムーン期が終わって、カルチャーショックを受けてる時期だね。」

部下くん 「ハネムーン期?成田離婚??」

成田離婚なんて最近の人は知らないか、、失礼しました。
上司さんの言う、ハネムーン期やカルチャーショック、なんのことでしょうか。

U カーブ調整理論 出典: Black & Mendenhall (1991)

この図は、ヒトは環境の違いにどのように適応していくのか、という事を表しています。
留学や駐在派遣など異国の文化に適応する際によく使われるものですが、
学生から社会人という「異文化」、昔の会社から新しい会社という「異文化」
新卒にしても中途にしても、新入社員にも当てはまる考え方です。
ご自身の入社時を振り返っていただくと、共感できることもあるのでは??

  1. ハネムーン期(Honeymoon phase): 最初の異文化体験では、興奮や新鮮さが感じられ、ポジティブな感情が高まります。この段階では、新入社員は新たな文化に対して好奇心を持ち、エネルギッシュに行動します。

  2. カルチャーショック(Culture shock): ハネムーン期の後、異文化適応において困難な段階が現れます。新入社員は文化の違いに直面し、ルールや習慣の違いなどがストレスや不快感を引き起こすことがあります。この段階では、不安感や孤独感、イライラ感などのネガティブな感情が高まることがあります。

  3. 適応期(Adjustment phase): カルチャーショックの経験を経て、新入社員は次第に異文化環境に適応していきます。この段階では、スキルの向上、新しい友人やコミュニティの形成、会社の文化的な理解の増加などが起こります。徐々に適応が進み、ポジティブな感情が復活し、自信や満足感が高まっていきます。

部下くん 「どうしたら、少しでも早く居心地よくなりますかね?」

上司さん 「昔は飲み会でざっくばらんに話して仲を深めたもんだけどねぇ」

飲みニケーションなどもちょっと誘いづらくなったこの頃。
カルチャーショック期の新入社員には、どんなサポートをするのが良いのでしょうか。

会社への適応を早めたり、早期から個人の特性を発揮して活躍してもらえるように働きかけるサポートを「オンボーディング」といいます。

言葉の由来は「乗船」。新しい船に乗るときにどんな機会や情報を提供したらよいのか、という事ですね。

例えば、
・改めて、会社のカルチャーを伝える
・メンターなどを活用して、個人のタイミングに合わせて相談や支援を行う
・先輩社員との交流の場をもうける

などが考えられますが、海外の企業が行っている事例なんかをみてみるのも、発想が広がるきっかけになりそうです。

オンボーディングの詳細や事例はここから紹介しています!

上司さん 「部下くん、せっかく気付いたんだから何か企画してみてよ!」

部下くん 「・・・現場や同期にも話聞いてみます!」

上司さんから思わぬタスクが飛んできた部下くん!
新入社員の異変に気付けた優しい部下くんなら、きっと素敵な企画が思い浮かぶはず!



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