音楽家の旅行記 仙台編 -Part7 宿〜朝食〜帰郷〜コンクルージョン-
宿
飲み終わり宿に戻ると今までとは違うゲストが。日替わりで人の出入りが変わるのは文字通り一期一会でその瞬間瞬間が貴重な時間でもある。話す事に飢えているようで談話相手に名乗り出てべちゃべちゃと長時間、宿のご主人交えて談笑。私も普段自身の事を話す機会などない中色々聞かれたものなので、酔いが回っていることもあり口が軽くなる。そんなこんなであっという間に数時間がたち就寝。そんなで2日目が終了した。
最終日朝
3日目、最終日の朝だ。この日は10時に仙台駅から東京行きの長距離バスの発車だ。朝をゆっくり過ごし朝食を食べに行く。
なんて事ない東京にもあるマクドナルドの朝マックだ。だが普段朝食は家で済ます私としてはこういうファーストフードチェーン店の朝食も非日常である。旅が故の醍醐味だ。
実は朝マックでマフィンはまだ食べたことがなくグリドル派である。出てきたばかりの頃のCMに好奇心をそそられ試し、以来その独特なほかでは食べられない味わいに何処か魅力を感じているようだ。この甘じょっぱい味というのは日本食にはない味わい故に異国情緒を味わいたいときのカンフル剤にもなるのだ。とはいえ朝から昼のメニューもあったらいいのにな、とも思いながら時間までNoteを書いたりしながら時間を潰す。
出発
時間になりバスに乗り込む。今回は帰りはサービスエリアの停車数は行きに比べ一度少ない。安達太良サービスエリアと佐野サービスエリアに立ち寄り新宿に帰還するというコースだ。
安達太良という地名は実は今回初めて知った。故に最初は新たなサービスエリアとアナウンスが聞こえ、一体どこだよと天然ボケをかましていた。
安達太良サービスエリア
2時間前後だっただろうか、しばらく高速を走った後安達太良サービスエリアに到着。トイレ休憩だけではなくこちらでお昼とお土産を買うことに。まずはメロンパンとカレーパンを買い、お土産に薄皮饅頭を購入。福島は郡山の名物だが同じ福島の安達太良サービスエリアでも売っていた。どころかみちのく最後のサービスエリアということで東北の様々なお土産が売っていた。私は他に目についたもので食事のお供にこんな物を購入。
野菜不足なので補うことも兼ねてトマトジュースを購入。裏面を見たら原材料表記はトマトのみ。潔し。期待が高まる。
バスの中でパンをぱくつきながらトマトジュースを一口飲んで目が見開く。味の濃さが半端ない。私は幼少期生のトマトが嫌いで食べられなかったのだがそんな時代の私自身にこれを飲ませたらどんな反応をするだろうか、と思うくらいトマトの味が強い。にも関わらず青臭さもないし種の周りのえぐみもない。それ以上に一口飲んで体中の細胞がぽっぽぽっぽとはしゃぎだす。大喜びだ。こんなトマトジュースは初めてである。
佐野サービスエリア
再出発ししばらくすると今度は佐野サービスエリアでトイレ休憩。今回の旅でサービスエリアで味をしめた私は悠々と降り立つ。佐野サービスエリアの上りはかなりの範囲が工事中だった。が奥の方に細々と営業をしているのを発見し何か掘り出し物はないかと物色する。
栃木のお菓子屋さんのおまんじゅうたちを購入。このみそまんじゅうがとても美味しかった。非常に素朴で素材の優しい味がじんわり広がる安心できる味だ。一方で佐野こがねは、こちらはかの有名な博多通りもんの亜種だな、というのが率直な感想で新鮮味というのは既に通りもんを知っていたためそこまであらず。
そんなこんなで新宿に到着。途中2度のサービスエリアというイベントが挟まったおかげで5時間の乗車もそんなに気にならず楽しく帰京。新しい楽しみ方を発見、満喫し自宅へ戻った。
コンクルージョン
以上で仙台編は終了となる。当初の目標であった仙台平もウニもどちらも課題が残る結果となったがそれ以上に、最近飢えていたただただ楽しい人との交流を味わえたのは大変ありがたい事だった。私の同世代の人間を見ていると私の年齢ではもう日本ではこういう無邪気にただただ子供のように人と遊ぶというのはできないのかもなあとどこかで諦めモードに入っていたのだがそんな日本でそういった機会を得られたというのはとても嬉しかったしまだまだそういうことも可能なのだ、という希望さえ沸いた。これは私にとってはとても代え難い経験であった。
さて、個人的というか私の本業の話に触れるが今回の旅以降ひとつ段階が変わったようで、ようやく作曲がかなり鈍足ではあるもののできる状態に戻りつつある。今まで頑張りすぎた影響で重い感情を背負いすぎてしまい譜面に向かうと身体が圧迫感を強烈に感じとても作曲ができない、そんな状態が昨年から続いていた。旅のおかげで気持ちがだいぶ軽くなり始めているようだ。とはいえど今でも体の支障のせいでまだまだ本調子ではないため少しずつ向き合いながら活動ができるところまで回復させたいところである。