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音楽家の旅行記 伊勢・奈良編 Part9 -夜の奈良公園〜朝散歩〜朝の奈良公園-


夜の奈良公園

食後宿に戻って休憩を取る。しばし他のゲストと談笑する。今回のゲストハウスでは非常に珍しい経験をした。というのも私が宿泊した際日本人とだけの交流が、それも結構年配な方との交流があった。だいたいこういう素泊まりの宿に泊まる際は若い外国からの観光客との交流が主となりやすいのだが今回はその真逆で不思議な経験であった。翌日から一人若い外国人観光客が来ていたらしいが私との接点は一切なく本当に今までにない経験であった。

宿泊したゲストハウス

さて、このゲストハウスからは奈良公園が非常に近い。徒歩5分ほどでその敷地に入る。明日の観光の細かいスケジュールが立っていなかったこともあり、せっかくから今日のうちに見てくるか、と夜の散歩に繰り出すことに。既に陽が落ち、東京ではすっかり珍しいクマゼミの蝉しぐれを浴びながら歩いて行く。

鹿

奈良公園の鹿

しばらく歩くといた。修学旅行以来十数年ぶりの奈良公園の鹿である。
もうおやすみモードに入っていてくつろいでいる個体だ。

夜の鹿は昼間の鹿と雰囲気が違う

昼間の奈良公園の鹿は周知の通り人にたかって鹿せんべいを欲してペコペコするのだが夜の鹿は人に近寄ろうとせずより野生らしさが垣間見える。人を見て逃げるということはしないものの距離を取って近寄ろうとしない。雰囲気も昼の時よりも野生の動物の雰囲気が強い。こういう経験は実際に現地に赴いてみないと実感しにくいものだ。

孤高な鹿

家族で共にしている鹿もいれば孤立している鹿もいるし、そういった鹿もまた寝床に戻ると他に家族がいるのかもしれない。

興福寺

奈良公園敷地内を歩いていると興福寺にぶつかった。
興福寺は藤原不比等が移転させてこの地に建設させたと言われている。

興福寺南円堂

このあたりまで歩いたところで宿に引き返し奈良1日目を終了した。

朝散歩

翌朝、早朝目が覚め水を飲みにリビングへ行くと既に他のゲストの中年の女性たちが集まっていた。挨拶をし談笑すると、このあと朝の散歩に行くけど一緒にどうだと言われ、お供することに。

朝の鹿

中年女性2人、小学生くらいの少女と私の4人で朝散歩。少女は前日の鹿せんべいを持っていて鹿を見つけると鹿せんべいをちらつかせる。早朝でまだ鹿は人と距離を保つ野生性強目な感じだったが鹿せんべいが目に入った途端に近寄ってきてペコペコしだした。このあたりはやはり奈良の鹿である。
途中の道では談笑がしばし続くのだがせみの幼虫のことを馬と呼ばれていて、私が馬と鹿が並んだら大変になりますねなんて返したりしていたのだが、どうもせみの幼虫を馬と呼ぶのは埼玉の一部地方の方言になるのだとか。どうも方言のことになると東京住まいの私としてはあまり実感がわかないのである。

1時間弱ほど外を回り、女性陣は朝食を取りに宿に戻ることに、私はそのまま奈良公園に向かうということで別れそのまま引き続き足を進める。

朝の奈良公園

朝の奈良公園へ向かう。この時点で既にだいぶ歩いた感はあるのだが、鹿を追いかけているとそこまで歩いていることは気にならない。この時間になると陽は昇り、鹿せんべいの屋台が現れ出した。鹿せんべいの屋台の周辺には既に大量の鹿が群れていた。早速その鹿せんべいを買おうとすると買っている最中に鹿がどんどん集まってきて鹿せんべいを受け取った瞬間立派なツノが生えた鹿たちが突進してくるように迫ってきた。ちょっと待ってくれ、といってももうその迫り方といったらすごかった。

鹿せんべい

鹿せんべいの写真を撮りたいがために少し距離をとろうにもすごい勢いで迫ってきており逃げながら写真を撮ったのだがとうとう痺れを切らしたのかお尻をガブッと噛まれたのだ。傷はつかなかったもののしばらくこの噛まれた後はチクチク痛んだ。もう分かったと半分恐怖心で鹿せんべいをばら撒き、半分以上なくなってしまった。しばらく鹿に対する恐怖心というのは完全には拭えなくなっていた。鹿といっても個体差がだいぶあって、荒くれものの鹿に当たってしまったなとなんとも言えない思いであった。

次回に続く。


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