異世界へ召喚された女子高生の話-06-
▼不安な樹海を征く
高橋美咲は、森の中を慎重に進んでいた。周囲には不気味な静寂が広がり、木々の間から時折漏れる光が、彼女の心に微かな安らぎを与えていた。けれども、その安らぎは長くは続かなかった。ふと、彼女は背後から聞こえる小さな足音に気づいた。
振り返ると、そこには小鬼――ゴブリンの集団が彼女を追ってきていた。美咲の心臓は激しく鼓動し、恐怖が彼女を襲った。だが、ここで立ち止まるわけにはいかないと、咄嗟に手近にあった木の枝を掴んだ。枝をゴブリンたちの鼻先に突きつけ、牽制する