【きんぼし】-星にならなかった少年の物語-
小さな村の小さな家に男の子が生まれました。ずっと子どもがほしかったお父さんは大喜びで、「生まれただけで金星だ」と言い、男の子を、きんぼしと名付けました。お父さんは、強い男にしようと幼いころから稽古をつけましたが、きんぼしはすぐに逃げ出してしまいます。すると、お母さんは、「生きるだけで金星よ」と言って、かばってくれました。
ところが、お父さんは、きんぼしが七つのとき、川でおぼれたきんぼしを岸に上げたあと、沈んでしまったのです。お母さんは、なぐさめてくれましたが、きんぼしは、ぼ