優れたアイデア、コピーには心地よさと懐かしさがある。
コピーにしても、タイトルにしても、
毎月作成する新刊本の書店告知案内にしても、
決められたスペースの中で何かを紹介するのは、骨が折れるものだ。
会って話す紹介なら簡単だけど、
テキスト・言葉だけでターゲットの心理を
理解し、何を伝えたいのか?
(何をどの順番でどう言うか)
どんなメリットを享受してもらえるのか?
(ターゲットの悩み、一番の痛みをどう解決
していけるもの(本やサービス)なのか)
ターゲットの抱える課題を解決した先にある
世界は?
(Before After)
考えているだけで時間があっという間に
過ぎさるし、作ってみて一日置いてから
改めて見てみるとダメだわこれ、ってなる。
*
「問題提起力」。
その問題を知らないとどんなことになるのか?
具体的にどんなマイナスが起きるのか?
問題提起自体がターゲットからかけ離れて
しまえば見向きもされない。
問題になっていることやもの自体には、
人によっていろんなフィルターがある。
思い込み、置かれた環境や価値観…。
それを思いっきり覆されるとどハマりする。
*
「常識破壊力」。
これがないと他人に驚き、好奇心、新鮮さ
を与えられない。
自分の世界観だけでモノゴトを見るだけでは
いいモノが作れたとしても、
〈いいモノ=売れるモノ〉にはならない。
そんな自分を俯瞰して見るもう一人の自分と
いう距離感や他者視点の豊かさが大切。
ましてや現代は真面目はウリにならない。
真面目で正しいんだけど〈おもしろい!〉
にならないと意味がない。
*
また、気をつけなければならないことがある。
それは、作り手、伝え手に必要な才能、
思いやりといえばよいでしょうか。
必ず何かを作ったり、伝えたり、発信もそう。
〈加害者意識を持つこと〉です。
これを作ったら誰が被害者になるのか?
これを書いたら誰が被害者になるのか?
何かが流行れば何かが廃るわけで、
何かが発明されたら何かが古くなる。
不満が出ない流行も発明もないんだから。
その意識を持つ、持たないでは言葉への
配慮が変わる。
*
優れたコピーやタイトルには優しさがある。
心地よさがあります。
これはコミュニケーションも同じだと思う。
ふわっとした心地よさ、
ドキッとした心地よさ、
どんな感情が先にきても、
何か心地よさが残る。これ大事だなぁって。
優しさってその人の教養が現れると思う。
単にウケを狙って、クリックを狙ったような
コピーやタイトルがたくさんある中、
教養ある人の言葉、紡ぎ出された、または、
編集された言葉にこそ〈心地よさ〉がある。
そう思ってます。
同じようなことを書いていた方がいました。
読んだら共感の連続でした。
それが、
『クリエイティブマインド』
ーつくるチカラを引き出す40の言葉たちー
「ピッカピカの一年生」「セブンイレブンいい
気分」、サントリーロイヤルの「ランボオ」等
を産み出したCMプランナー、クリエイティブディレクターとして活躍された杉山さん。
彼はこんな言葉を残しています。
「世の中には情報がたくさんあるけれど、
そのままでは文字どおりのインフォメーションであって、すでにだれかのもの…それを自分で
熟慮して編集したものが知識。
…そこから発酵して、ジャンプしたものが知恵
になる。この知恵や編集された知識が、
教養じゃないかなぁ。」
そして、本来クリエイティブとは、
自己満足で作られたものじゃない。
必ず誰かがいて感じあえるコミュニケーション
が前提にあるんだと。
理解してもらうより感じてもらう。
それが心地よいコピーやタイトル、発信。
そう痛く共感します。
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