#18|2023年、極私的ベストソング。 1/2
やあ。
死なない程度に頑張ってるかい?
3日坊主の申し子、杉山だ!
週に2曲をセレクト!というコンセプトでプレイリストを更新し始めたのはよいものの、やっぱり3週目を終えたあたりから2週も空けてしまった。
情けない!
ということで、今回と次回は「2023年、極私的ベストソング」と題して、ボリューム増し増しでお届けしようと思う。
そして今回は男性ボーカルにフォーカスを当てて紹介していくよ。
いや〜、最初は順位をつけようと思ったんだけどね、なかなか決めきれないから、1位以外は同列に語ることにしたよ。
そう、1位だけは決まってるんだ。
そんな2023年ベストオブベストから紹介するよ。
Blake Mills - Skeleton Is Walking
あと何度感動したら気が済むんだ……。
リリースされてから永遠に聴き続けている。
イントロで心臓をギュッと掴まれ、02:17からラストまで続くギターソロで体内に在る慈しみがジワジワと溢れ出す。
先日、Blakeの来日に足を運んだ際、この曲が始まって「やばい、こりゃ泣く!」と思った瞬間、目の前にいた青年が真っ先に泣き始めて、思わず抱きしめたくなった。いや、自分もちゃんと聴きたいから「誰か彼を抱きしめてやってくれ!」と思った。彼からしたら小さな親切大きなお世話だ。
音源のギターソロはPrinceのバックバンドとして知られるThe RevolutionのメンバーWendy Melvoinが弾いているらしい。しかも、1テイクで決めたというのだからやばすぎる。音の感じからして、Blakeが普段メインで使用しているフレットレス・サスティナーギターで録音していると思うんだけど、もうこれが至高オブ至高なんですよね。フレーズもそうなんだけど、音の擦れ具合/ノビみたいなニュアンスからミスピッキング(?)まで、全てが尊い。多分、これを超えるギターソロには生涯巡り会えないんだろうな、と思っちゃうくらい。来年60歳を迎えるお姉様の偉大なるギターソロに心より感謝。
とまあ、曲の半分以上がギターソロなので、ついそこにばかり目がいってしまいますが、イントロから一定のテンションでループしているギターアルペジオも本当に素晴らしいですよね。このテンションがずっと保たれているからこそ、ジワジワと感動が込み上げてくる。
他にも、シャララランと鳴っているトレモロサウンドのエレキギターや、さりげないパーカッション、うっすらと漂うシンセ、そして何よりドラムが良い!
スネアを叩く時にライドシンバルを抜くだとか、ハイハットを入れる絶妙な位置だとか、ギターソロに呼応しながら時に掛け合うように入るブレイクだとか、その歌心に感無量です。
こんな名曲を生んでくれたことに感謝しかない。
有難う、Blake。
さて、ベストオブベストなだけに語りすぎてしまったのだが、この他にもグッときた曲はいっぱいあるので、そそくさと次に行きましょう。
Ryan Beatty - Ribbons
良い曲だな〜。
だけかと思いきや!0:52からのボーカルアレンジが面白い!その後しっとりと盛り上がっていくのも良い塩梅過ぎる!
正直、過去の音源はそこまでグッとこなかったんだけど、明らかにこの曲だけツボに入りすぎたので、誰がプロデュースしてるねん!と思い調べてみると、やはりEthan Gruska先生。
そうです、僕はEthanが織りなすサウンドやアレンジが心底好みなんです。
彼自身の楽曲はもちろん、彼がプロデュースやサウンドメイクで携わっているPhoebe Bridgers、Boygenius、Adam Melchor、Kacy Hill、Marcus Mumford、Christian Lee Hutsonなどなど、そのどれもが好みなんです。
アコースティクなサウンドをベースにしながらも、楽器の使い方(音色の作り方)やデジタル処理の施し方がどれも斬新&さりげない。
斬新&さりげない、って言葉にすると矛盾して見えるんだけど、もうそうとしか言いようがないんだ。
加えてこの曲のクレジットを詳しく調べてみると、錚々たる面子が参加していた。
こんなのオールスターじゃないですか!
自分の好きなミュージシャン達がこれほどまでに繋がっていて、しかもそれぞれに個性があるにも関わらず、こんなにも繊細な1曲を紡いでいる、そう思うとほんと救われる。
去年リリースされたEthan Gruska & Bon Iverの楽曲も良かったよね。個人的に最も影響を受けている2人だから、その後もこうやって一緒に制作してくれるのがとても嬉しい。
う〜ん、Ryan Beattyの曲紹介のはずが、制作メンバーについて熱く語ってしまったね。
でも、そういうことなんだ。
日本では特にプロデューサーや制作チームの存在が見えにくいし、あえて出さないようにしているのかもしれないのだけど、実はこうやって陰で支えている人達が楽曲を彩っている場合も多いんだよね。
やばい、久しぶりに文章を書くとつい長くなってしまうな。
次から少し短くしよう!
Flyte - Defender
アコースティック主体なのに、ビートだけあえて打ち込み感を強く推しているのがすごい。
なのに、違和感を感じなくて、むしろこれが心地よい、すごい。
これは目から鱗でした。
ルーツミュージック感もありつつ、オルタナティブな雰囲気もありつつ、時折キャッチーで、なんだかんだ今どきな感じがハイブリット!
Hovvdy, Lomelda, Whitneyあたりが好きな人には是非おすすめしてあげましょう。
Andy Shauf - Wasted On You
さて、2023年、絶対に外せないのがこの曲だよね。
アルバムの1曲目なんだけど、イントロからもう心持ってかれちゃいます。
弦楽器の「ヘケヘケ、ヘケヘケ」っていうメロディーが耳に残るよね。超シンプルなのに(だからこそか?)。ボーカルとの掛け合いも秀逸だ〜、すげ〜な〜。
引っ越しをして間もない頃、買い出しついでに知らない街を散策していた時、このアルバムをずっと聴いていたから、個人的に当てのない旅っていうか夢の中を練り歩くイメージがある。
あ、そうだ。アルバムで聴くと、この1曲目の終わりから2曲目の繫がりがやば過ぎるので、興味ある方は是非チェックしてみてね。
ほんでミュージックビデオが間抜けなのも良いよね。
サムネも何これ。
最高か。
Sufjan Stevens - Goodbye Evergreen
天才。
正直どういう感情で聴けばいいのか良く分かんないんだけど、とにかくセンスが良すぎて、今はまだ理解が追いていない、ということだけはよく分かる。
でも、確かにグッときている。
Sufjanの音楽って、近いようで遠いというか、寄り添ってくれているようで掴み所がないといういか、なんとも言語化するのが難しいんだよな。
それが新鮮っていうのもあり、いつ聴いても蜃気楼のように美しい。
そんなSufjanと共作を発表したことでも知られるAngelo De Augustineの新譜もめっちゃ良かったから、今日は彼の曲でお別れだ。
次週は女性ボーカルにフォーカスした「2023年、極私的ベストソング。2/2」を書くからお楽しみに。
Angelo De Augustine - Another Universe
Music start 01:42〜