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義父の髪の毛再生物語。
義父(夫の父)は、髪の毛が少ない。
私は出会った頃からそうだったので、特に違和感がないのだが、年々おでこの面積が広くなっていたそうだ。
後頭部からではなく、額から広がる毛のない面積。
でもなんというか、貫禄があっていいし、私は変だと思ったことはない。
似合っている、と言ったら失礼に当たるのだろうか。
私の父も薄毛だが、元々ふんわりした猫っ毛なので、一応生え揃ったまま経過している。
2人とも、70代半ばだ。
まだ元気なことが有り難い。
ごくたまに会う機会があり、2人で会話することがある。
義父「私はもう、すっかりなくなりまして。」
実父「私もですよ。真っ白ですし、ボリュームがありません。」
義父「でも、お父さんはまだまだお生えになっているから。」
実父「いえいえ。時間の問題でしょう。」
などという会話を繰り広げているところを見ると、2人とも相当髪の毛を気にしているのだな、ということが分かる。
それに一昨年の夏。
主人の実家に帰省中、こともあろうか、当時5歳の息子がこんなことを義父に聞いていた。
「じっじの髪の毛、いつ生えてくるの?」
そしておでこから少し上あたりのテカテカ光っている部位を、手の平でペシペシ叩いているではないか!
OMG〜。
慌てて、
「〇〇ちゃん、そんなことしないのー」
と、止めるよう促すも、全然聞いてない息子。
でも義父は、おおらかで孫には甘々な方なので、
「ワハハ〜。いつ生えてくるんだろうね〜」
なんて調子を合わせてくれていた。
お義父さん、ほんとごめんなさい。
それから1年半。
その後2回ほど会ったが、わが家が遠方に引っ越した去年の春以降は会えていない。
週末にたまにテレビ電話している。
先日も、いつものようにスマホの画面に顔を映して会話していたら。
「〇〇(息子)ちゃ〜ん!じっじはね、髪の毛が生えてきたんだよー。」
と話し出す義父。
それまで、夫や娘が会話していたので適当に聞いていた私は、一気に耳がダンボ、目は画面に釘付けになる。
よく見ると、、、ほんとだ!
額から上がツルツルだったのに、ややマットな質感になり、産毛のように細くて柔らかい髪の毛が生えている!!
しかも、多分3cmくらい伸びてる!
「お義父さん、どうしたんですか?!」
急に会話に参戦する嫁。
「今、2ヶ月に1回、美容室に行ってるんだよー。」
と義父。
なんと、頭皮環境の改善で、何年も生えなくなっていた髪の毛が蘇ってきたのだとか!
もうびっくり。
薄毛の原因は人それぞれとのことだが、義父の場合、サラリーマン時代から長年使い続けていた、スプレータイプのヘアスタイリング剤が毛穴を塞ぎ、髪が生えなくなっていたらしいのだ。
幸いにも毛根が残っていたのだろうか。
詳しくは聞かなかったが、あまりにも嬉しそうに報告してくれる義父を見ながら、こちらまで嬉しくなる。
そして、「ああ、やっぱり、息子の質問も気にしていたんだな〜」と思った。
義父は息子にコメントを求めたのだが、長い会話の間に暇を持て余し、ゲームを始めてしまった息子。
「へー。何本くらい?」
と、全く興味なさそうな態度と、これまた何とも言えない質問を投げかける息子。
君の発言は結構重要なんだけど!
重ね重ねなんだかすみません、お義父さん。
もちろん本数なんて分かる訳もなく、私が笑って誤魔化した。
そして、話題を切り替えて少し話し、通話を終了した。
まあとにかく。
明るい報告に嬉しくなり、また最近の技術はすごいんだなあと感心した。
そして何より、その変化を本人が喜んでいるのがとても良い。
これからどこまで再生していくのか、楽しみだ。
実父にも教えてあげようかな。
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