なんだかちょっと惜しいと言われる私の名前。
個人情報なので明記できないのだが、私の名前(フルネーム)はいつも有名人に似ている。
「いつも」というのは、結婚前の旧姓でも、名字が変わってからもどちらも、という意味だ。
結婚前、30年近く慣れ親しんでいた名前は、名字にカタカナ2文字足すことで、歴史的に有名なミュージシャン、の奥様の名前となっていた(漢字は違う)。
小学校の頃、「名前の由来を親に聞いてくる」、という宿題があり、母に尋ねたら、下の名前の漢字から、「『おひさまの光をたくさん吸い込んだ、あったかい座布団のような人になるように』と考えて付けた」との回答を得た。なんだか良さそうな由来だが、座布団てどうなの?と思わないでもない。そこはまあいい。
だから、そのミュージシャンの奥様(奥様も有名人)の名前に因んで付けた訳ではないんだと思う。でも、父は若い頃そのミュージシャンのファンだったらしいので、ちょっと怪しい気もする(聞いたらいいのに聞いたことがない)。
まあそんな訳で、名前をフルネームで言った時に、「お?なんか○○○○みたいだね。」と言われることがたまにあった。でも、年齢層が上の人が多かったし、別に気にすることでもないと思っていた。
そんな私が結婚することになり、主人の名字に変わった。
すると今度は、ある同世代の女優の名前と1文字違いになってしまったのだ(漢字は違う)。しかも、唯一違うその1字同士は母音が同じなので、フルネームで聞いた時、限りなく近い名前になる。
結婚報告をすると、「あ、なんか○○○○みたいだね。ちょっと惜しい~。」と複数人から言われた。「惜しいってなんだよ、似てるだけじゃん。」と思いながらも、「だよね。笑」などと適当に返しながら過ごしてきた。
それが、かれこれ十数年になる。
時を経てもいまだに反応されるのは、その女優がずっと活動しているからだ。引退したりテレビから姿を消すとそうでもないのだろうが、ずっとお見かけする。たまにゴシップネタでも登場するので、人々の記憶は更新されていく。
そして先日。
皮膚科の診察に呼ばれる際、看護師さんが、こともあろうか、「○○さん、○○△○さ〜ん。」と私をフルネームで呼んでくれたのはいいのだが、思いっきりその女優の名前を言ってしまった。しかも、言い直さなかったので、間違いに気付いていないようだ。
狭い待合室には20人くらいの方がいたのだが、そのうち、5、6人が顔を上げ、こちらを見た(気がする)。
頼むよー、呼び間違えるのはいいけど(名字も漢字の上下をひっくり返されることもある)、その名前だけはやめてよーと思う私。
他人は「へえ、同姓同名なのね。」と思うか、別に何も思わないかだと思うのだが、なぜかバツが悪い気持ちになってしまうのだ。「ご反応いただいて、すみません。」みたいな。
言い間違われなくても、「なんか微妙に惜しくてすみません。」と毎度思ってしまう。
本当にどうでもいいのだけれど。
目立つことが苦手なので、できれば番号とかで呼んで欲しい。
この先もこれ続くのかな~とぼんやり考えている。
そう言えば、息子の幼稚園のクラスメイトに、伝説の昭和のアイドルと同姓同名(漢字も)の女の子がいた。
途中で転園して来たので、先生も保護者も初めて知った時には「わあ、すごいね。」という反応をしていた。あれはやっぱりご両親かおじいちゃんおばあちゃんがファンだったのだろうか。まさか知らなかったということはないだろう。
これからの時代、夫婦別姓も有り得るし、結婚しない選択をするかもしれない。将来、彼女の名前はどうなっていくんだろう。変わるまでは、きっと私よりもたくさんの人に反応されるんだろうなあと思う。
何十年か経った時に、似たような感じの名前を持った者同士(彼女の場合は惜しくないけど)、名前談義に花を咲かせてみたいなあなんて、これまたどうでもいいことを勝手に考えている。
随分涼しくなったので、思考回路が回復してきたようだ。次から次に雑念が浮かんでくる。物思いにふける秋が、もうすぐそこまで来ているのかもしれない。
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最後までお付き合いいただきありがとうございましたさ。
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***2023/9/11追記***