恐怖がなければ人間ではないという嘘
自分が一番恐れているものはなんだろうか。そんな疑問を耳にすることがしばしばあるが、それを問うことよりもなぜ恐れているかの方がよっぽど重要だと私は思う。怖いものは永遠に怖くはいてくれない、いつか怖くなくなってしまう、それを私は経験則で知っているからだ。そして人はしぬ。そこまで考えると、なぜ今現在の私は恐れているだろう、という気分になってくる。きっと、まだ怖い自分を手放したくないから、だ。そこに得られるものがある限り。メリットがある限り。怖さから解放された瞬間に、自由の不安定な世