前世占いの特殊な結果と寿命占いの振り返りと青春の失笑。【ユーモアエッセイ】
高校生の時分、学友たちと前世占いをしたときがあった。
当時はスマホもない時代だったから何かのティーン雑誌だったか、ゲーセンでやったのか、何で占ったのか、そこだけ記憶にございませんなんだけど、ちょっと流行っていた動物占いに便乗したような、お遊び感覚占いで盛り上がったことは覚えている。
悩みもほぼない(いやあった。大きな悩みはあった。歳月と共に反芻が減っているだけ…人間ってそんなもんかとも思う)高校生の頃だったし、現代のようにスマホに縛られることもなかったから、ちょっとしたことでワクワク興奮したのです。懐かしい。
前世占いは数人でおこなった。
結果が出るたびにキーキーとした高揚感で溢れた。
友人たちには『カマキリ』とか、『貴族』とか、虫から上流階級の人間まで様々な前世の結果が出ていた。
カマキリと結果が出た瞬間はゲラゲラと10代特有の笑い方で盛り上がり、貴族のときなんて「えー! すごーッ!」と目を丸くした皆んなが該当者に指を刺して笑った。
そんな中、私の前世は『使い捨て生理用ナプキン』だった。
童心に帰ったように楽しんでいた友人達が、なんとなくだけれど一拍挟んで失笑したように感じたのを覚えている。
なぜなら、生き物じゃない。
そんな結果が出たのは私だけだった。
なぜだ?
私は前世の前世で徳を積まなかったのか?
とまでは思わなかったけれど、ある意味で天才的な現象を引き当てた私の受け取り方は変わっていた。
ほんの一瞬だけ「ゲッ!」と思ったが、人と数%ズレた結果にちょとだけ満足する自分がいたのだ。
『人と違う! 当たりを引いた気分だな』と思った。
それにしても誰のナプキンとして使われたのだろうか?
昼用? 夜用?
どこのメーカー?
羽付き?
何センチ?
色んな疑問が瞬時に煙を立てた。
使い捨て紙ナプキンの誕生は、1961年11月らしいが、私は1978年生まれだから…
この短期間……ナプキンの人生を歩んで直ぐに今世人間として生まれ変わったということになる。
神はこれまでも私を物凄いスピードで輪廻転生させているのかもしれない。
一体何回目の魂なのだろうか。
いやちょい待て、恐ろしく当たる占い師のような不思議な男性に私は昔こう言われたことがある。
「あなたの魂は物凄く古く、数万年前はその世界を牛耳っていたこともある。女王だった」
そんな魂の私は一体全体どこで踏み外して使い捨て生理用ナプキンに成されたのだろうか。
まぁそれはよいとして、私の前世結果に一拍置かれた後に失笑が渦巻いたのは、多分この部分だったはず。
『使い捨て』
なぜに使い捨てと頭に付いていたのだろう?
だって生理用ナプキンなんて普通に考えて使い捨てじゃないか。
皆んなはそんなことが頭をよぎった後、やっとこさ生物じゃないことに着目し出して、それこそやっとこさ笑ったに違いない。
違和感を覚えてから解決するまでは束の間のことだったけれど、じわじわと笑いが込み上げてきたような雰囲気があった。
だからちょっと変な空気になってしまった。
あの当時の若かった私たちは、生理用ナプキンといったら布製のものを存じていなかった。
昔、祖母が言っていた。
「今はどんなナプキンなんだ?」
私は当時使っていた物を見せると、
「あらぁ便利だなぁ。ばぁちゃんの時なんか布だったんだよぉ。量も多くてなぁ大変だったんだぁ」
経血過多傾向は遺伝なんだなぁと思った。
50歳も離れた孫と祖母。
生理の話が楽しく続いた。
母との生理事情がちょっと違っていたから、身内でこんなにも分かり合える人がいたのが嬉しかった。
あぁ懐かしみ……。
それはそうと、この占いは私以外に『物』だった人はいたのだろうか?
とても気になるところでもある。
例えば『使い捨て電池』とか、『使い捨てライター』とか、『使い捨てスリッパ』とか、とか、とか。
いなかったの?
この占いは友人達と私との冗談丸出しの前世を知る遊びだったけれど、それなりに盛り上がったことだけは事実。
本心から信じてないのは当然。けれど何となく前世の結果を照らし合わせてしまうのが私だった。きっと他の友人らもそうだったことだろう。
そこに突然『使い捨て生理用ナプキン』が現れたものだから盛り上がりのバロメーターが一時弱って、私になんとも言えない同情の念が飛んできたのです。
その時1人の友人が天を仰ぎながら叫んだ。
「絶対にヤダわー!」
私もヤだよ。
そこからの会話は覚えてません。
そして未だにこのことを覚えているのは私だけだと感じています。
だって使い捨て生理用ナプキンだったのだから!
こういった現象は当の本人が一番覚えているのだ。
⌘ ⌘ ⌘
先ほどから生理用ナプキンと羅列していてるけれど、少し真面目な話しをさせてもらいたい。
生理用ナプキン、おりものシートの類は、コットン100%が安心と思います。
経皮毒についてはまだ医師によってマチマチな意見のものだけれど、粘膜には自然な物の方が明らかに良いと思うのです。
昨今、子宮筋腫などの子宮系の疾患が若年層にも多いのは、その傾向も視野に入れておくことも大事かと。
しかしコットンのナプキンは吸収率が悪いし割高だし苦手な人もいそうですが、痒みはコットンの方が和らぐと私は実感しています。
マスク生活になって、鼻詰まりがあるなぁって方いませんか?
私は鼻炎とは無縁のスースーと空気が入ってくる鼻でしたが、マスクするようになってからなんとなく鼻詰まりがあり、気づくと酸欠で頭がボーッとする時がある。
そんな時は鼻腔拡張テープを貼って凌ぎます。
かなり楽になるのです。
鼻の中の粘膜がマスクの何らかの影響を受けているのだと勝手に思ってます。
ちなみに、『あなたの寿命は?』の占いで遊んだこともあった。
私は、、、
もうあなたは死んでいます、だった。
生ている私は思う。
不死身を手に入れた。