恐怖に立ち向かうライオン
今日は自己啓発のお話。
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ある暑い日、
一匹のライオンが、
サバンナで、喉を潤す場所を探していた。
暑さに倒れないためには、
水を飲まなければならない。
水たまりがあるか探したが、
ずいぶん長い間雨が降らなかったので、
すべてが乾いた荒れ地だった。
茂みの葉に露がついていないか、
よく見てみたが、これもダメだった。
絶望的な状態。
舌が口の中に張り付き、
立ち上がる力も弱くなっていった。
疲れ切ったライオンは、
どこに行けばいいのかわからないまま、
埃っぽいサバンナを歩いていった。
だが、めまいがして倒れそうになったとき、
茂みの奥に、
今まで見たこともない湖を発見した。
その表面は透き通っていて、
灼熱の太陽に照らされた巨大な鏡のようだった。
「どれだけの水があるのかわからないけど、
やっと飲めるぞ~!」
と、歩みをはやめ、
岸辺に近づき、頭をかがめて、見たら、
「うわ~!!」
そこには
強そうなライオンが
水底からのぞいていた。
冷静さを取り戻して、
呼吸が正常に出来るようになるまでに、
時間がかかった。
考えた。
「この湖は
あのライオンのものなのかもしれない。
面倒なことになるのはごめんだ。
さっさと立ち去った方がいいかもな・・・」
と、思った。
しかし、
どこにも行かなかった。
喉の渇きがひどくなってきたからだ。
じっと座って、ライオンが浮上するのを待った。
数分後、
他の生物の気配がないと察して、
再び岸辺に近づくことにした。
そして、と~っても慎重に、
ゆ~っくりと水の中を覗き込むと、
「うわっ!!」
再び目の前に現れたのはあのライオン。
びっくりして飛び上がり、
たてがみが逆立った。
そこで、
自分に言った。
「あのライオンがまだいる。
私を脅かしている。
どうしたらいいのだろうか。
少しでも水が飲みたい・・・」
と思いながら、
あきらめて、アカシアの木陰に行き、
時が経つのを待つことにした。
だんだん、暑さと喉の渇きに我慢が限界に達し、
再び湖に近づこうと思い立った。
今度はちょっと良いアイデアが浮かんだので
実行することにした。
首を伸ばして深呼吸をし、
岸辺に着くと、
口を開けて、
象も震えるくらいに、
ウオ~!とうなった。
すると、
驚いたことに、
水の中のライオンもうなり声を上げ、
鋭い牙をむき出しにしたので、
びっくりして、
後ろにひっくり返ってしまった。
でも、
ゆっくりと立ち上がり、
この状況を早く終わらせようと強く思った。
湖に住むライオンが何者なのか、
どんな意図を持っているのかは分からないが、
彼に残された選択肢はただ一つ。
「もう喉の渇きに我慢できないから、
勇気を出して、あいつを倒す」
というものだった。
リスクを取るか、
脱水症状になって死ぬか、
どちらかだ。
鼻息を荒くして、
後先考えずに頭をジャボンと水に浸すと、
不思議なことに
ライオンの姿が見えなかった。
喉が渇ききっていたので、
冷たい水を思いっきり
顔に感じながら、心ゆくまで飲み干した。
その時、やっと、
そこには他のライオンはいなくて、
自分の姿が映っていたことに気がついた。
そんな危機感が過ぎ去り、
彼は自分自身を笑った。
そして
自分の馬鹿げた恐怖を克服することができたんだ
と、大変誇りに思った。
笑顔で、家族のもとに戻った彼は、
とっても、とっても幸せな気持ちになった。
おわり
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この話は、
恐怖心の多くは想像上のもの
であると教えてくれている。
私たちが生きている間に、
全く根拠のない恐怖を
感じることがある
コントロール出来ない想像力によって、
現実を見れなくなる。
自分の心の中の想像に
身を置いてはいけない。
勇気を持って、
恐怖と向き合おうとすることで、
初めてその恐怖は消えていく。
想像上の恐怖で、
人生を制限してしまうと
もったいない。