もしかしたら
昨日は本当に銀行などあちこち雑用なことをするのに動き回っていた。
家に戻ってきて、食べてから、鍼に行く予定だったけれど、午後3時を回っていた時にはまだ外にいた。
鍼の予約は4時半。
家にいられるのは30分だけとなってしまっていたけど、家に戻る前に、私に届いた荷物を取りに上の階の人のアパートに行って、ブザーを押した。
すると、隣から女性が出てきたので、「Hola! オラ」と私は挨拶した。(「Hola」は「やあ」って訳されるけど、実際、朝昼晩はこの言葉であいさつ出来る。英語のHi(ハイ)と同じ」)
・・・・無言。
彼女は鍵を閉めようとしたけれど、何か忘れ物があったらしく、中に戻ってから、出てきて、鍵を閉め、私の挨拶が聞こえなかったのか、何も言わず、私を見ずに行ってしまった。
私はもう一度、「Hola! 」と言ってあげようかなと思ったけれど、「もしかしたら・・・」と思ってやめた。
「もしかしたら」というのは、まず、自分のこと。
もしかしたら、相手が挨拶しないから、挨拶させたくて、自分がもう一度嫌味のように言おうとしているのではないか。
それに、もしかしたら、もう一度言っても、無言かもしれないし、そうなったら、別に私は傷つきはしないけど、きっと気にくわないのではないか。
この家の人は2年ほど前に引っ越してきたようだけれど、不思議で、私は越してきた事も知らなかったし、建物の通路や入り口で、新しいような人と会うこともなかったから、2年前まではずっと空き家だと思っていた。
それに、いつも雨戸が全部閉まっているし、洗濯物が干してあるのを今まで一度も見たことがない。
何してる人なんだろうかとずっと疑問。
夫婦が住んでいるようだけれど、実際にどんな人たちが住んでいるのか、よくわからない。
去年の緊急事態宣言の発出された時から、買い物に出かける姿をやっと見るようになったけど、彼らとすれ違うことはない。
不思議な人たちだ。
なので、挨拶しても返事がないのは変ではないかもしれない。
スペイン人で、挨拶しないという人と出会ったことがあまりない。
もし、私の顔を見て、挨拶しないのであれば、きっと東洋人が好きではないのだろう。
だけど、私が挨拶をした時に、彼女は背中を向けてたので、誰が挨拶したかは見えなかった。
そして、「もしかしたら」と、今度は相手のことを考えた。
その時に何か事情があって、誰とも話したくなかった。
すごく人見知りが激しい人で、他人とはコミュニケーションがとれない。
とか、
障害があって、話せない・・・
と思ったら、思い出したことがある。
ウエイン・W・ダイアーの本で読んだのか確かではないけれど、
有名な彼がよく通っていたレストランでは、すべてのレストラン従業員達が丁重にもてなしてくれるのに、一人だけ感じの悪いウエイターが一人いた。ある時、何かのきっかけで、ウエインが何か彼に悪いことをしたのか聞いてみたら、そのウエイターは目が見えなかったということがわかった。
他人には他人の事情がある。
悪いことをするわけではないのだから、自分は自分で良いと思っていることをすればいい。
私はいつもみんな平等に挨拶する。
挨拶することで良いパワーを与えてあげられるし、もらうこともできる。
たとえ、その人から挨拶が戻ってこなくても、もし、会ったら、挨拶し続けようと思う。
もしかしたら・・・と考えずに、自然に。