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支援級or通常級 問題

こんにちは。ライターの ありむら えり です。
久しぶりの投稿になってしまいましたね。

私には、発達障害の息子がいます。
現在6歳、年長さん。
療育と言語訓練を受けながら、幼稚園に通っています。


発達障害って?

今日は、お話をする前に、まず『発達障害』について簡単に解説していこうと思います。

『発達障害』という言葉、皆さん耳にしたことがあるでしょう。

発達障害は、脳の働き方の違いにより、物事のとらえかたや行動のパターンに違いがあり、そのために日常生活に支障のある状態です。発達障害には、知的能力障害(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)、限局性学習症(学習障害)、協調運動症、チック症、吃音などが含まれます。同じ障害名でも特性の現れ方が違ったり、他の発達障害や精神疾患を併せ持つこともあります。

https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=MbkmLbVbTEhSpxyE#:~:text=「発達障害」とは,などが含まれます%E3%80%82

Googleで検索すると、このように出てきます。
(WHOの定義により、神経発達症と今後は呼称されるようですが、今回は国内で広く知られている『発達障害』という言葉を使わせていただきます。)

引用元を参考にしていただくとよく分かるように、『発達障害』と言っても、その人によって個性は大きく異なります。
そもそも人間一人ひとりに個性があり、誰一人として同じ性格・同じ思考を持つ人間はいないはずです。
その個性の凸凹が顕著に現れてしまうのが、発達障害なのです。

息子は、昨年2024年6月の5歳のとき、自閉スペクトラム症(ASD)の診断が出ました。
おそらく注意欠如・多動症(ADHD)でもあるのですが、診断をしてくださった病院の方針により、診断は出ていません。
(先生曰く、「幼い男の子は全員ADHDだ」とのことです。笑)

知能検査は受けておらず知的障害の有無は不明ですが、軽度知的障害または境界知能だと思われます。

特別支援学級って?

そんな息子ですが、今年の4月から小学校に入学します。
そこで問題になってくるのが、特別支援学級(以降、支援級)or 通常級問題です。

特別支援学級とは、小・中学校に設置されている障害のある児童生徒を対象にした少人数の学級です。

自立活動や各教科等を合わせた指導など、障害による学習や生活の困難を克服するための特別の指導を、児童生徒のニーズに応じて行う特別の場になります。

https://tokushi-tobira.jp/teacher/specialclass/003.html#:~:text=特別支援学級とは、小・中学校に設置され,の場になります%E3%80%82

私たち昭和・平成初期生まれの人間にとって、支援級=特別な子が行くところというイメージがあるかもしれません。
しかし令和の支援級は、特別なものではなくなっているのです。
かなり流動的と言いますか、昔のように “支援級に入ったら、卒業するまで支援級にいる” というのは非常識となっており、支援級で入学したからといって、必ずしも所属し続けなければならないといった縛りはほとんどありません。

転籍を希望する場合、学年が変わるタイミングで転籍をする児童が多いようですが、学校によっては学期ごとで転籍することも可能なのです。
(息子が通う学校も、学年の途中であっても転籍は可能だということです)

一括りに『特別支援学級』といっても、自治体にはよりますが、
・知的障害を伴わない発達障害の子(ASD・ADHD)が在籍する『情緒・自閉クラス』
・知的障害の子が通う『知的障害クラス』
・体に不自由さを持つ子が通う『肢体不自由クラス』
に分けられることが多いようです。

息子が通う自治体の小学校も、この3つのクラスに分けられていました。
知的障害の診断が出ていない息子は、『通常級』に所属するか、この『情緒クラス』に所属するかどうかの選択を強いられたわけです。

《どんな子に育ってほしいのか》について考える

非常に悩みました。それはそれは悩みました。
悩み始めた頃は、息子の人生を私が決めて良いのか?とすら考えてしまいました。

そんな私ですが、何ヶ月も悩み続けた結果、《どんな子に育ってほしいのか》と考えることにしました。
もし通常級にするのか、支援級にするのかに悩まれている保護者さまがいらっしゃれば、私と同じように《どんな子に育ってほしいのか》について一度考えてみることをおすすめします。
育児に正解・不正解が無いように、《どんな子に育ってほしいのか》についても間違いはありません。

私は主に、この3つを目標に掲げました。

まず一つ目に、『身の回りのことは自分でできるように』ということです。
発達障害の特性の一つとして体幹の弱さ、手先の不器用さということがあるのですが、息子も類に漏れず当てはまっています。
正しい服の着脱や、丁寧な歯磨き、持ち物を自分で用意するなどなど、まだまだ不得意なことがある息子です。
こういった最低限の身辺のことを、一人でやり切る力は身につけて欲しいです。

二つ目は、『人や自分の心や体を傷つけない、ものを盗まない』
当たり前のことと言えば当たり前のことですが、いい年した大人でも守りきれていない人がいますよね。
SNSで誹謗中傷するのは、子供に限った話ではないでしょう。
そして、人を傷つけないのは当然ながら、私は息子の心と体を大切にし続けてほしいと思っています。
言い方が乱暴になるかもしれませんが、決して『優しい人』になんかならなくて良いのです。
嫌なものは嫌だと言える力を、息子には身につけて欲しいと思っています。

最後の三つ目は、『一人で生き抜く力』です。
私もいつかは死んで、この世界からいなくなります。
きっと息子より早く亡くなるでしょう。これは夫も同じこと。
私たち夫婦がいなくなった後も、一人で生き抜く力を身につけて欲しいのです。
ここで勘違いして欲しくないのは、『一人で生き抜く力』=誰にも頼らず一人で乗り越える力 ではないということ。
息子に身につけてほしい『一人で生き抜く力』というのは、上手く周りを頼りながら生きていく力のことです。
困った時は、周りを頼って欲しい。
そのためには両親である私たち以外とのコミュニケーションも重要になってきます。
学校の先生、お友達、放課後等デイサービスの仲間、もっと言えばスーパーの店員さん、役所の人たち、警察や病院関係者、いろんな人の力を適切に頼れる大人になって欲しいのです。

この3つが、私が《どんな子に育ってほしいのか》と考えたときの、息子に身につけていって欲しい力でした。

息子に合うのはどちらのクラス?

さて、この3つの願いを実現させようとしたときに、通常級と支援級どちらが力になるのでしょうか。
一つずつ見ていきましょう。

一つ目の『身の回りのことは自分でできるように』という力。
これに関しては通常級でも周りの友達を見ながら学んでいけるでしょう。
しかし、本当に困った時に先生が必ず近くにいてくれるとも限りません。
「他の子ができることも、自分には簡単にはできないんだ」と自信を失くしてしまうかもしれません。
現在通っている幼稚園は先生の数が多く、かなり手厚く見ていただいていますが、30人以上を主に1人で見ている通常級の先生に「自分の子をよく見ておいてください」とお願いするのは酷でしょう。

二つ目の『人や自分の心や体を傷つけない、ものを盗まない』
これに関しては、30人以上が所属している通常級の方が、嫌でもコミュニケーションの体験はできるはずです。
全員が個性を持ち、その子それぞれの性格がありますから、いろんな子たちと接することで学べることもあると思います。
ただ、コミュニケーションが苦手な息子が、トラブルを起こさないと言い切れないのも実情。
思ったことを素直に口にしてしまう息子なので、そこは心配しています。

最後の『一人で生き抜く力』についてはどうでしょうか。
授業中、給食中、休み時間、登下校時。
困ってしまう場面はきっと何度もあるでしょう。
先生や友達に、その度に助けを求められたら良いのですが、通常級でそれが叶うでしょうか。
何度も言っているように、30対1の児童と先生です。
(息子の学年は人数の折り合いが悪く、1クラスあたりの人数が特に多い)
困って助けを求めた時に、助けてもらえない。
そんなことが続いてしまったら、息子は諦めてしまうと思うのです。
後から解決しようとするなら良いのですが、「まぁいっか」と諦めてしまうか、「もういいや」と自分に自信を失くしてしまうか、どちらかになるような気がしてなりません。
今でさえ「僕はダメなんだ」「僕は走るのも遅いんだ」と自信を失くして幼稚園から帰ってくる日があります。
その度に「どうしてそう思うの?」「速く走れなくても、一生懸命走っていたらかっこいいよ」「上手にできなくても、頑張ってる〇〇(息子)が大好きだよ」などと声をかけていますが、ありのままの自分を愛し、生き抜く力はもっともっと身につけて欲しいのです。
世知辛い世の中ですから、自分だけは自分の味方になってあげられる人間になって欲しい。
勉強ができなくても、運動が苦手でも、自己効力感を持って生きてさえくれれば、それで十分なのです。

私が出した結論

そんなことを考えた私が出した結論は『支援級進学』でした。

困った時に助けてくれる先生がいる。
このありがたみは『支援級』ならではだと思うのです。

甘やかしなのではないか、
息子の選択肢を狭めているだけなのではないか、
通常クラスでもいけるのではないか。
さまざまな意見をもらいました。

しかし、散々考えた結果がこれだったのです。

支援級にするのか、通常級にするのか。
迷った時はぜひ

《どんな子に育ってほしいのか》

そんなことをじっくり考えて欲しいと思います。

余談ですが、うちの息子に
「お友達がたくさんいるクラスと、先生にしっかり見てもらえるクラスと、どっちが良い?」と聞いた時、
「先生にしっかり見てもらいたい」とはっきり答えました。

他のタイミングで聞いた時には「うるさいクラスは嫌だ」と言っていたので、
それも彼自身が支援級を選択した理由の一つになったようです。
(支援級が静かとも限りませんが。笑)

息子の通っている幼稚園が地域屈指のマンモス園でものすごく喧しいので、
それがあって言っているのかもしれません。

長くなってしまいましたが、ここまで目を通して下さった皆さまありがとうございました。

現在2025年1月ということで、4月から支援級にするのか通常級にするのか、同じ学年の皆さんはすでに決定されている時期だと思います。

また春になれば、次の新1年生保護者さまたちの就学相談が始まるでしょう。
我が家の就学相談についても、また投稿させていただこうと思っています。






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