【2】年表を作る
前回のプロセスはこちら(↓)。
そうそう、メモ一元化の最中の写真が一枚ありました。
この紙はもともと、仲本さんへの取材のときに持っていって、聞くべきことを漏らさず聞いてくるためのメモ。お話を聞きながらその場で書き込んだりもするけれど、基本的にはあとで音声データを聞き返し、落ち着いて理解しながらここにメモしていく。それも一元化の一環です。
さて、こんな風に言葉ベースの記録を整理していると時系列に関する疑問点や白紙の部分がたくさん出てくるので、次は主人公である仲本千津さんの年表をつくります。
かなり長時間の取材の蓄積や講演の記録、出演番組の動画、インタビュー記事をそろえてもなお、年表をつくってみると時系列がそれまでの理解と違っていたり、(話すときには全然違う文脈で出てくるから)離れているように見える2つのエピソードが同時期に起きていたりして、ハッとなります。
時系列を把握していないと、物事と物事、物事と気持ちの因果関係を間違って書いてしまう恐れがあるので、年表づくりは必須。『高崎山のベンツ』を書いたときには編集者さんがきめ細かい年表を作ってくださって、えらく助かりました。
もちろん、編集者さんがつくれるのは広く知られている情報に基づいたもの。そこに私が、取材で得た情報をもとにして書き足していくのです。
仲本ウガンダ本(←書名はあとでじっくり検討するのでひとまずの呼び名)ではご本人にあとで原稿を通読してもらえるので間違って出版される恐れはあまりないけれど、文章を一部直したことで全体の流れが不自然になることもあるので、できるだけ最初から間違わずに書きたい。
仲本さんはいま、30代後半。そんなに長大な年表にならないだろうと思われるかもしれませんが、人の半生って仲本さんに限らず、年表に書き起こしていけば本当にいろいろあるんです。
とくにこれから書く本は、自分の将来について本格的に考え始める年ごろの読者に読んでもらいたいので、小学生~大学生の仲本さんの人生の岐路や、選択に影響を与えた出来事は網羅しておきたいところ。
基本の年表にどんどん足して、そのうちメモなんだか年表なんだかわからなくなっていって、ページもどんどん増えていって、そこからメモ要素を例のまとめ用Wordに吸収していって、残りのエキスを年表として仕上げます。
赤字のところはまだ不明なところ(まあいくらでも出てくる)。これを仲本さんに確認して解決し、次のステップに進みます。
(【2】終わり)