【ウガンダ旅・9】ほんのり甘酸っぱい料理用バナナと、白いサツマイモに魅せられて
お正月休みは終わりましたが「仲本ウガンダ本戦記」に戻る前に、正月休みで一時再開した「ウガンダ旅日記」をもう一本だけ更新します。前回(↓)がとても好評で、たくさんの「スキ」をいただいてうれしかったので。
稀少なテキスタイルの制作現場を訪問したので、次はその話を書こうかと思ったのですが、ここはアパレルや文化人類学の専門マガジンではないし、むしろ間口を広げて書いていこうと考えなおしました。でもいつか、世界遺産となっている激レアのテキスタイルについても書きますので、お楽しみに。
やめられない止まらない、料理用バナナの魔力
今日は、ウガンダの食べものの話を。一言でいうと、ウガンダの食事は素材がよくて、素朴なおいしさが魅力。わたしはとても好きです。
一番のお気に入りは、火を通した料理用バナナ。ウガンダに限らずアフリカのあちこちでよく食べられていて、主食や主菜というより、フライドポテトのような「つけあわせ」的な位置づけです。日本で食べられる果物のバナナとは違い、ほんのり甘く、あっさりしていて、ほんのり酸っぱい。
この「ほんのり」具合が絶妙で、やめられない止まらない。食べすぎ注意なつけあわせです。書いていても口によだれが溜まってくる……料理用バナナ、なんで日本にないんだろ。
ロールエッグス→ローレッグス→ロレックス、の三段活用
一品料理でいちばん好きなのは「ロレックス」。これはウガンダ・オリジナルの料理だと思われます。
宿の朝食メニューにあったんですが、最初は毛嫌いしていました。なんでウガンダに来て、高級時計みたいな料理を頼まなくてはいけないのか。
でも仲本千津さんの工房でウガンダ人スタッフの女性とおしゃべりしていて、「ロレックス食べたことないの? おいしいよ」と言われたので、その翌朝に初オーダー。
トマトやピーマンなどを刻んだ野菜を溶き卵に混ぜて焼き、それをこんがり焼いたチャパティでくるりと包んだのがロレックスなのだそう。食べてみると、めちゃおいしい! 野菜はなんでも新鮮で味がしっかりしているし、塩やハーブの使い方がうまいのではないだろうか。
上のロレックスはレストランで頼んだのでたいそうきれいに盛り付けられているけれど、本来は市場の屋台とかで買ってそのまま食べながら歩くのが似合う、気軽なウガンダン・ファストフードです。わたしがウガンダで一人暮らししたら、屋台でロレックスばっかり食べる日々になりそう。
なんとクックパッドに作り方がありました。なんでもあるなあ、クックパッド。
コンゴは味付けしっかり、ウガンダは素材の味重視
ちなみに、8年ほど前に訪ねたコンゴ民主共和国(以下コンゴ)の料理はまた違うおいしさでした。複雑なうまみを追求している感じ、といいましょうか。日本人の味覚にもよく合います。
ヤギ肉のような臭みがきつそうな料理でもトマトやニンニクをうまく使っておいしく煮込んであって、ヤギ肉のワイルドなイメージがわたしの中で180度転換しました。
とはいえ、ピリピリ(←コンゴの言葉で唐辛子を指す)をふんだんに使った激辛料理も多いので要注意。辛いもの好きな人は激辛方面でもはまるらしい。
ウガンダ料理はその点、どちらかというと素材の味尊重型。素材がいいせいか、物足りない感じは全然ない。というか、だいたいなんでも穏やかにおいしい。
主食のバリエーションが半端ない
ある日、工房の女性たちと話していて、「日本では主食に何を食べるの?」と聞かれました。
「お米」
「ふんふん、あとは?」
「パン(Bread)かな」
「Breadって何?」
「小麦粉で作る……えーと……」
「あ、わかった。Breadね。見たことある。あとは?」
「毎日食べるような主食は米とパンぐらいかな」
「えっ、それだけ?」
彼女たちは日本の主食の種類の少なさに本気で驚いています。それもそのはず、ウガンダの主食は実にバリエーション豊富なのです。
お米(ごはん)、小麦(チャパティ)に加え、ヒエなどの雑穀、キャッサバ、トウモロコシ粉などなど。日本人が主食として認識してないサツマイモやアボカドも主食扱い。
その代わり、主菜は豆や肉を煮込んだスープ一択であることが多く(味はいろいろ選べるけどとにかくスープ)、そのスープをさまざまな主食にかけながらいただきます。
わたしが主食の中でもっとも好きだったのが白いサツマイモ。ほんのり甘くて、しっとりしてて、絶品でした。これも日本にはないんだよね…。ウガンダでも、常にメニューにあるわけではなかった。
ローカルな市場でお昼ごはんを調達
ローカルな市場の中にあるフードコート的なごはん屋さんでも、基本は主食とスープの組み合わせです。ローカルな市場は、行くだけで楽しい。養鶏場かと思うほどたくさんの元気な鶏が木のケージに入れられて売られていました。食べるために買う人もいるし、家で飼って卵をとる人もいるみたいです。
そういえば、以前タンガニイカ湖畔の山中に野生チンパンジーを見に行ったときは、生きた鶏を一緒にボートに載せて向かったっけ。現地は国立公園内で、2泊分の食材を調達できる場所がないから。
カンパラのローカルマーケットで鶏売り場を通ると、「買ってかない?」と店の人から声をかけられる。でもわたしは生きた鶏を買うわけにはいかないので、調理された昼ごはんを物色。
豚肉は町の外れの専門店で
ウガンダはクリスチャンの多い国ですがムスリムもいます。イスラム教でタブーとされる豚肉は街中の屋台やレストランでは見られません。でも、町からちょっと離れたところに豚肉料理の専門店がいくつもあります。「ポークジョイント」という豚のグリル料理が食べられるのです。
シンプルな豚の炭火焼きもスタンダードなメニューですが、わたしが今回いただいたのは焼いた豚をマトケやタマネギなどとともにトマトで煮込んだポークジョイントでした。見た目はあんまりおいしそうに見えないんだけど、とても親しみやすい味です。ここでもアボカドやキャッサバがごはん代わり。
海なし国だけど淡水魚は豊富
ウガンダは内陸国で海岸がないので、海の魚はなかなか入ってきません。でも、アフリカ最大の湖、ビクトリア湖があります。
ナイルパーチやティラピアなどの淡水魚はお店で売られていますし、ローカルなフードコートで煮込みの具材にもなっています。淡泊ながらもしっかり味があって、おいしいんですよね。
隣国のエチオピア料理も、高級日本料理も食べられる
国際都市カンパラでは、ウガンダ・ローカルの料理だけでなく、エチオピア料理(インジェラ)や、日本料理、中華料理、イタリアンのお店もあって、毎日いろんな国の料理が楽しめます。
アフリカというと食事が味覚に合わずに苦労するのではないかと思う人もいるかもしれませんが、ウガンダなら、とくにカンパラならまず大丈夫じゃないでしょうか。むしろ、アフリカに行くなら最初の国としてウガンダを勧めたい。治安も(比較的)いいし、食べ物はおいしいし。
さて、食べ物の話を書いているうちに、スーパーや市場にはどんな食材が売られているか、おやつや飲み物は?など、書きたいことが次々出てきてしまいました。でも今日は長くなったので、これにておしまいにしますね。「ウガンダはおいしい(食事編)」でした。
食材・おやつ・飲み物編もお楽しみに。あ、でも、衣→食と来たから、次は住かなあ。滞在したホテルも面白かったんです。ではまた、次の回で。
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