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『対話』が育む組織の力

グローバル企業における組織開発の一環で、リーダーシップチームを対象にワークショップを実施しました。その気づきの共有をしたいと思います。
 
異なる文化背景や価値観を持つ方々が協働する環境では、コンフリクト(摩擦や衝突)が避けられません。経験上、これを健全に生かし、多様性の共生を実現させるためには、効果的なコミュニケーションが鍵になると思っています。
 

ワークショップでは、皆さまの当事者意識と内省をより深めるため、Sympathy(同情)Empathy(withの感情が働くことでの共感)Compassion(forの気持ちが働くことでの相手のために行動する気持ち)の三つの概念についての議論を入れてみました。

議論での主な意見は、「同情」は、相手を不必要に気遣う可能性があり賛同できず、「共感」には賛同するものの、職場で異なる価値観を持つ相手に気持ちが動くまでの深い理解に至ることは困難、という感じでした。
 

最終的な皆の賛同は、「相手のために行動する気持ちが芽生えるためには、双方向の理解不足と信頼不足の解消のために、まずは、『情報の壁』と『感情の壁』を取り除く努力が必要ではないか」となりました。

組織内に心理的安全性を担保し、『対話』を繰り返すことで『健全なコンフリクト』を生み出すことが、リーダーの取るべき第一歩だと、皆の考えが一致したのです。組織内で、率直な意見や違和感への問いかけなどが気兼ねなくできる環境が整うことで『健全なコンフリクト』が生まれ、個々の持ち味の発揮と組織の競争力につながることが期待できるからです。
 

そもそもコンフリクトは、人間味があり、隠れた情報が溢れていることではないかと思うのです。それを避けることは、問題を見過ごすことにつながり、結果として組織の機会を逃すリスクを抱えるものだと、私は強く思います。一方で、「傾聴と問いかけ」をベースに『対話』を重ねる組織は、コンフリクトを健全に対処することにつながり、ゴールに向かって力強く進むことができることでしょう。
 

今回のワークショップで組織リーダーの方々が得た最大の気づきは、組織を次のレベルへと導く鍵のひとつとして、多様な個が集まる組織においての『対話』が持つ力です。「シンプルだけど、意識して行動を変えていかないと、難しいよね〜」とため息も漏れつつ、皆さまの表情は、熱い当事者意識に溢れていました。

受け手にとって小難しい施策を展開する手前に、小さな日々の積み重ねこそが明るく力強い未来を創ることだってあるはずです。皆さまも自組織で「傾聴と問いかけ」をより意識して、『対話』を軸に、組織が持つ本来の力を引き出してみてはいかがでしょう!


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遠藤 亮介  | 個と組織の「可能性の unlock」を伴走するCHRO&コーチ
外資系17年(HRトップ 7年)とプライム市場上場企業 Global CHRO(最高人事責任者)経験の私が「誰もが独自性を強みとして持ち、新しい無限の可能性を秘めている」を自身のコーチング哲学に、2023年3月 起業をしました。サポートくださる方々と一緒に日本を元気にしたいです!

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