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【852回】村山吉廣「楊貴妃 大唐帝国の栄華と滅亡」
楊貴妃といえば、唐の時代、玄宗皇帝とともに過ごした女性。
中国で一番好きな王朝はどれか?と問われると、僕は「唐」と答える。
理由はいくつか挙げられる。そのひとつは、僕にとって、なぜか魅力的な人物が多いからである。特に、安禄山や史思明が登場する安史の乱に強い興味を持った。その安史の乱によって、玄宗皇帝は長庵を脱出し、楊貴妃とともに蜀へ逃亡する。逃亡の最中、楊貴妃は部下によって殺される。
その楊貴妃を中心に置き、開元の治からその崩壊までを描く一冊である。
本書で、唐が栄え、崩壊していく様は読み取れる。特筆すべきは、楊貴妃が登場する作品や伝説の扱いだろう。
楊貴妃が日本に来たという伝説。
楊貴妃と玄宗皇帝の戯曲など。
本書の3分の1は、楊貴妃死後、楊貴妃の捉え方を記す。
森部豊「唐―東ユーラシアの大帝国」(中公新書)を読んで以来の、唐の本だった。
様々に唐の歴史を知る機会に出会えて、ありがたいなあと思う。