のろねこ

読書記録やつぶやき。まずは1000回書いてみる。

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マガジン

  • 本、読んだで。

    読んだ本の記録です。浅く軽く、書き残しております。

  • 20世紀末・北海道自転車1周記

    1990年代、自転車で北海道を1周しました。当時の記録を見ながら、今の記憶と合わせて、旅行のエピソードを書きます。

最近の記事

【849回】多数派意見の背景にどんな不満と願いがあるか、知らないとな

民意、県民の意見というが、当選者以外の候補に入れた人の意見も民意だし県民の意見だよ。 多数か少数かの違い。 多数派の意見を聞け。 少数派の意見は無視していい。 そうではないよ。 多数決は少数意見の尊重が求めらるから。 このように書くと、自分が投票した候補が当選したとき、自分と反対する意見を尊重する意識を持ち続けられるかも問われるね。 さて、今回の選挙、多数派意見は自分とは距離がある。多数派意見の背景にどんな不満と願いがあるか、知らないとな。 自分自身と相手の意見。 自

    • 【848回】同じような意見に囲まれる、その力の恐怖

      Xを代表とするSNSを見ていると、思い込みが強化されそう。 洗脳とまでは言わないけれど。 例えば、選挙。A候補について、絶賛されるポストが10、20と続く。するとA候補って実はいい人?と思えてしまう。 A候補に反対するポストを発見する。すると、複数人が匿名で攻撃する、相手を傷つけようが関係ない口調の返信を見る。 A候補は、他の候補に攻撃を加えるような支援者に対して無言だ。 「そのような物言いはやめて」「応援はありがたい、でも、行き過ぎた行為は心苦しい」とリーダーが言うべき

      • 【847回】米田豊・植田真夕子「学習指導案の理論と方法」

        何年振りといってもいい。教科指導の、社会科の、授業づくりの、ネタ探しなどではなく硬派な、理論の本を読み切った。授業づくりが面白くなってきたから、読めたのだとも言える。忘れていた感覚が戻ってきたのか。もともと授業が好きだったのか。どちらでもいい。 新しく調べた内容をもとに、授業づくりをしたい。 その気持ちが少し高まっている。 課題を設定する。課題解決の仮説を立てる。調べる。仮説を検証する。まとめる。 一連の流れは、実験のようだ。 理科だとわかりやすい。ところが、社会科も同様に

        • 【846回】加藤隆「100分de名著 集中講義 旧約聖書」

          加藤隆「100分de名著 集中講義 旧約聖書」 「何もしてくれない神は、なぜ「神」であり続けるのか」 この問いに対する答えを読む。なるほど一神教とは、意図的に作られたシステムなのだ。 この2つの考えとの出会いは、神の捉え方を変えた。つまり、僕が「〜このようにお願いします」と言おうとも、「なぜこんな都合の悪いことが起きるのか」と嘆いても、神は黙っている。神が僕の言葉を「きっと受け止めてくださっている」と思うのは、僕の自由である。しかし、神が受け止めているかどうかは神が決める

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        • 20世紀末・北海道自転車1周記
          7本

        記事

          【845回】学校生活を楽しく過ごす場にしたいよ

          同僚と意見を交わしながら、笑いながら、仕事ができたらいいなと思っている。 先生同士が上機嫌。生活を楽しそうにしている姿は、子どもたちに影響する。大人って楽しそうだなという感覚を得てもらえる。そのような可能性がある。 もちろん、子どもの保護者も笑顔で過ごしてほしいと願う。何よりも、子どもたちが毎日の学校生活を楽しんでほしい。 どうしてこれほど、生きるのに辛い社会なのだろう。学校自体が、もう、この未来を生きる力を作り出すとは思えない場所になってきている気がする。 学校とはつま

          【845回】学校生活を楽しく過ごす場にしたいよ

          【844回】森本あんり「国家神信仰を批判する」を読み、膝を打つ

          森本あんり「国家神信仰を批判する」 岩波書店が毎月発行している雑誌「世界」に掲載された論考だ。2024年11月号に掲載されている。 何に対して膝を打ったか。そうか!と思ったか。「選び」の主権についてである。 我々は神に選ばれたのだ。偉大なのだ! 聖書からは、そのような捉え方はできないのだ。 神がイスラエルを選んだ目的も聖書にのっている。それを知れば、今のイスラエルがパレスチナや周辺国に対して行っている破壊行為がいかに、神の目的と異なっているかわかってくる。 神が目的を持

          【844回】森本あんり「国家神信仰を批判する」を読み、膝を打つ

          【843回】川端康成「みずうみ」

          主人公桃井銀平は高校教師であった。しかし生徒と愛し合う。さらに出会った少女を追いかける。現在でいうストーカーや少女趣味といったところか。 小説は、現実では禁忌とされているものでも題材に取り上げ、人生を描くことができる。ひとつの実験である。ただ、少女を追い求める銀平の行動だけを見ると、気持ち悪い。 ここで注目したいのは、「みずうみ」の存在だ。章の区分けなどがなく、はっきりとした場面転換が示されない。そのため、現実を読んでいるのか、銀平の過去…つまり頭の中を読んでいるのか、路頭

          【843回】川端康成「みずうみ」

          【842回】山本文緒「無人島のふたり」

          末期の膵臓がん。余命は4ヶ月。抗がん剤を中止し、死へ向かっていく著者の序盤の言葉は、上手な死への願いだった。 病気になれば、ゆっくりと読みたい本を読みながら、死に向かっていくのだろう。 そのような考えは甘かった。 著者が村上春樹を読む場面もあった。ところが実際には、症状に苦しみ、外出できず、だんだんとできることが減っていく。 毎日本を読めて幸せ、という生活にはならないらしい。自分にとってはちょっとした混乱である。 元気なうちに、やりたいことはやらねばならぬ。 余命宣告を

          【842回】山本文緒「無人島のふたり」

          【841回】戸谷洋志「生きることは頼ること」

          ハンナ・アーレント、國分功一郎、ハンス・ヨナス、エヴァ・フェダー・キテイ、ジュディス・バトラーの5名の哲学者をもとに5章に分けて、生きることは頼ることを語る。 自己責任論は、人々の分断を生み、その論を語る自身にも不都合な影響がある。 責任は誰かが背負うのではない。誰の責任だという個人の行為評価の発想を変えよう。誰のための責任なのかという捉え方にしよう。 例えば、目の前の子どもを安全に育むという責任なら、保護者だけの責任ではないはずだ。子どもを囲む人たちみなに責任を分担でき

          【841回】戸谷洋志「生きることは頼ること」

          【840回】投票所運営の謎

          観察する癖のおかげで、色々と気になる点が思いつく。 投票所で気になった点。 1.投票箱、投票用紙を作る会社はどこだろう? 2.投票用紙の色は、淡い色。色の根拠はなんだろう? 3.立会人や職員は何時からいらっしゃるのだろう? 4.投票所運営業務はボランティアなんだろうか? 5.ボランティアだとしたら、募集しているのだろうか。 6.教師は投票所運営業務に携われないのだろうか。 7.職員は開票が終わるまで勤務なのか? 8.昼飯や夕飯はどうするんだ? 9.机上のお菓子は誰が食べるの

          【840回】投票所運営の謎

          【839回】衆議院選挙投票完了

          散歩を兼ねて早めに家を出る。 投票所にたどりついたときは、まだ外に誰もいなかった。そうだ。一番乗りだ。 投票所一番乗りだから、投票箱の確認業務を任された。   一番最初に投票する人は、投票箱に何も入っていない証拠を、確認する。 立会人が見守る中、投票箱の中が空っぽであると宣言した。 銀色に輝く投票箱は、なにか厳格な空気がある。中を全開にされ、空っぽである箱の姿は、無防備でもある。 ここに、明日からの日本の社会を作る、国民の思いが貯められていくのだ。 南京錠で厳重に閉じ

          【839回】衆議院選挙投票完了

          【838回】死海のほとり

          遠藤周作「死海のほとり」 昭和48年に刊行された本作では、イランとイスラエルは行き来ができたのだ。 約50年経過した今では、両国は一発即発の状況といえる。 ガザに侵攻する、レバノンを爆撃する。自分たちを止める者は、すべて敵である。そのような振る舞いをするイスラエルと、本作に登場するイスラエルは地続きなのだ。 死へ向かうイエスの独白には、恐怖の色がうかがえる。 聖書にある通り、死して、復活したイエスは、人々のそばに。苦しみも悲しみも共に受け入れてくれる、同伴者となった。

          【838回】死海のほとり

          【837回】区別と差別は違うのかな

          区別と差別は違うのかな。 自分と他の人々を区別する。 日本人とある国の人たちを区別する。 区別したならば、起こるのは、違いを捜索ではないのかな。 何か違うから、区別するのでしょう。 この人たちは自分たちと違うので、社会保障は受けられません。 この人たちは自分たちと違うので、この国には住めません。 これは差別でしょう。 区別は左指につながる。強制収容所の入り口でドイツ兵が、指先一つで、生き死にを区別したように。 違いではなく、同じところを見つけよう。区別ではなく、共通項

          【837回】区別と差別は違うのかな

          【836回】憧れの形

          憧れの教師の形がいくつか存在する。 そのうちの1つは、「観察力」だ。具体的には向山洋一先生が、意見を言いたい子どもを発見するエピソードに基づく。意見を言いたい子の小指が動く。その小指を発見するというエピソードだ。自分の記憶に頼っているので、細部は異なるかもしれない。 教室を見渡す。 表情を見る。姿勢を見る。 手の位置を、机の上の配置を、足の動きを、座り方を見る。 視線を見る。顔の色を、呼吸を感じる。服装を見る。 話したいのかな。ああ、今僕は、この子が話をしたいのに、そのタイ

          【836回】憧れの形

          【835回】ネムルバカ

          石黒正数「ネムルバカ」 女子寮に住む、2人の大学生が主人公。先輩の鯨井と後輩の入巣のコンビ。残飯で天丼を作ったり、寝言を歌にしたり、笑えるなあと読み進めたら、真面目な展開が待っていた。学生時代から先の生き方を問いかけてきた。 「どこまで通用して どこで限界が来るかとか 目標に達するまでのカベの厚さも カベを掘りきれるかどうかも なんとなく自分で分かってて 努力するの シンドイじゃないですか」 と入巣の友達の友達が語るところに、鯨井がグーパンチで叫ぶ。 「このボケーッ」

          【835回】ネムルバカ

          【834回】路傍のフジイ 1

          鍋倉夫「路傍のフジイ 1」 読みながら、目頭が熱くなる。 「やりたいことも 知りたいことも たくさんあって 永遠に 生き続けられたらなって 思うんです」というフジイの言葉は、自分を震わす。   自分が苦しいのに生きていたいというのは、やりたいことをやりたいからだ。 やらずに、死にたくない。 その一心なのだ。 それは仕事ではなく、読書や勉強など、自分一人で完結できる、趣味の世界。 人の評価を気にせず、自分がやりたいことをやる。 フジイさんはそういう人だった。 自分のペ

          【834回】路傍のフジイ 1