シェア
陽だまり
2021年1月5日 00:24
それからというもの、アキトは毎日メールをくれた。進学校なのでなかなか校内で会うことはなかったけど、たまにすれ違えば「ユキ〜」って、手をふってくる感じだった。アキトは男女関係なく友達が多くて、いつもアキトの周りには誰かいた。もちろん女の先輩も。きっとこの人アキトのこと好きなんだな。わたしのこと、良く思ってないなぁ。って。女の勘でわかるよね。だからわたしは、あえて距離もとってた。面倒なことは嫌
2021年1月4日 23:55
「。。。。。」わたしの小さいな脳みそで一生懸命考える。どうしたらいいんだろう。。どのくらい沈黙したかはわからない。けどアキトは明るく行った。「ユキって可愛いよね。前から思ってたんだ。」どきどきどきどきどきどき。心臓が興奮してる。「まあ、、いつかそういう話はするとして!とりあえず、連絡先だけ教えて?教えてくれるまで毎日ここで待つよ?」「。。。それは困ります。」「じゃあ決ま
2021年1月3日 23:57
「ごめんね、急に」アキトが申し訳なさそうな顔をして言った。「アキト先輩ですよね。びっくりしました。まさかいるとは思わなくて。」段々と冷静さを取り戻してきて顔の赤みも引いてきた。身体から飛び出そうな心臓も、だんだんと落ち着いてきてくれた。「どうして連絡先教えてくれないの?」「え、、、、えっと、、だって、、、、。」「チカのことなら気にしないでよ。大丈夫だから。」「。。。。。
2021年1月3日 18:16
学校からの帰り道。高校生になって、イヤホンして好きな音楽を聴きながら約1時間の帰路をひとりで歩くのが、少し大人になったようで嬉しかったんだ。バイトをこっそり始めたから部活には入らなかった。でも今日はバイトも休み。慣れない日々で心も身体も疲れていた。帰って少し休みたかった。いつもより早足で家に向かってた。いつも通るコンビニ。通らなきゃ帰れないコンビニ。そこにあの人はいたんだ。
2021年1月3日 00:30
あの日のことは忘れない。「ユキって可愛いよね、前から思ってたんだ」今思えばなんて典型的なお世辞なんだ。出会ってすぐに言われた。でもその言葉にわたしはドキッとした。単純な自分が憎い。可愛いって、面と向かって言われたことは何回目だろう。数えるくらいしかなかったから。ドキドキさせるのが上手なアキト。ひとつ年上。昔からアキトのことは知ってはいた。同級生の元カレだったから。すごく仲が
2021年1月3日 00:18
やだ、、壊れちゃう。はじめてあなたに心を奪われた時、そう感じた。新しい環境、新しい生活。不安しかない中で出会い、わたしはまんまとハマった。生まれて初めて、人に愛おしいという感情を知り、誰にもとられたくないという、独占欲を知った。この人のことを好きになってはいけない。直感的にそう思っていた。なぜだろう。でも気持ちを抑えることはできなかった。