わたしの愛したあなた 6
それからというもの、アキトは毎日メールをくれた。進学校なのでなかなか校内で会うことはなかったけど、たまにすれ違えば「ユキ〜」って、手をふってくる感じだった。
アキトは男女関係なく友達が多くて、いつもアキトの周りには誰かいた。もちろん女の先輩も。きっとこの人アキトのこと好きなんだな。わたしのこと、良く思ってないなぁ。って。女の勘でわかるよね。
だからわたしは、あえて距離もとってた。面倒なことは嫌いだ。男絡みでの喧嘩は最悪なことにしかならないから。
入学して1ヶ月経たないくらいかな。同級生の男の子と仲良くなり、連絡先を聞かれてメールをし始めた。彼はカズヤ。野球部ですごく優しい人。硬派。純粋な人。本当に心が綺麗な人。
メールではすごい話してくれるのに、面と向かって話すとなかなか話しが進まない。(笑)
わたしは、どちらかというと男の子に女扱いされることもなく、男友達として扱われてきたから、なんか新鮮な感じもあり嬉しかった。
テレビの趣味も、お笑いの趣味も一緒で話してて楽しかった。音楽の趣味は違ったからいろんなアーティスト教えてもらったり。
話ししていて楽しかったし、安心したんだ。
1ヶ月くらい毎日いっぱいメールして学校でも話してお互いのことをある程度知った時、カズヤに告白されたんだ。
「ユキ、俺、ユキの彼氏になりたいな。友達としても楽しいけど、ユキのこと抱きしめたい!」
「え!!!なにそれ!めっちゃ嬉しい!!」
わたしは、OKした。そしてハグをした。
、、、、キスはしなかった。
断る理由もないし、カズヤといると楽しい。優しい。本当に優しい。わたしにも優しいけど友達にも誰にでも優しいの。
正直、アキトとは付き合うっていう考えはなかったから。憧れの先輩、、みたいな。
カズヤとちゃんと付き合いたいから、アキトにメールした。
「彼氏ができたので、メールはできません」
冷たっっ。
と思ったけど、カズヤに勘違いされるのも嫌だし、はっきり伝えようって。
「え??ユキと付き合いたいと思ってたのに。なんで?」
?????
そう言われても。
アキトは毎日メールくれるけど、必ず夜誰かといるし、女の子と飲み会してたり。
いわゆるチャラい人だった。
「ごめんなさい、わたしアキト先輩のこと、まだ信用できません。本当に、彼氏ができたのでもう連絡できません。なんなら連絡先消してください。」
「わかった」
かなり時間が経って夜中にメールがきた。
わたしはそのままアキトの連絡先は消した。