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お味噌汁愛とアミノ酸の相乗効果がずぼらさんに優しすぎる話

#QOLあげてみた

皆さん、お味噌汁は好きですか。
私は好きです。
たくさん働いて、疲れ果てた夜に飲みたいものといえば、もちろんワインもいいけど濃い目の出汁やお味噌汁。

うちの小学生の娘はもまた、私が台所で夕食の支度をしていると「きょうのすっぷ(スープ)なにー?」と聞いてきます。具が卵とトマトだとわかると「やったー!」とジャンプしてくれたり。

この味噌汁愛、お袋の味、というセンチメンタル物語だと捉えてもいいのですが、私に言わせれば「アミノ酸の相乗効果まじやべえ」って感じです。

Umamiって最近は外国人が口にするくらいの定着ぶりのコンセプトですが、
お味噌汁の出汁に含まれるうま味が生み出される仕組みはとてもドラマチック。

まず、うま味番長といえばグルタミン酸。最も身近なのは昆布かと思います。
昆布出汁だけでももちろん美味しいお味噌汁が作れます。

うま味インフォーションセンターのサイトより拝借

でも、うま味番長を含むうま味三兄弟(グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸)のうち、2種類を掛け合わせるとうま味爆増、ものすごい相乗効果があるんです。

単体で昆布出汁を使っても美味しいのに、そこに鰹節で合わせ出汁にしちゃうとうま味の量は 1+1=2 ではなくて 1+1=10 になるという話。

足し算したつもりが、アミノ酸、スパーク!!!!キラキラキラキラ(効果音)



そのスパークぶりをグラフにしたのがこちら↓↓
左端は昆布だけ、右端は鰹節だけ、間はそれら2つを合わせた場合を表しています。縦軸はうま味の強さ。

うま味インフォメーションセンターのウェブサイトより拝借



このグラフから読み取るべきメッセージは;
「左端で昆布ちゃんがぼっちでいるよりも、右端で鰹の僕がぼっちでいるよりも、僕たちいっそ二つ合わさると最高に美味しくなっちゃうよね、だからイチャイチャしようよ」です。


でもね、それだけじゃないんです。

このグラフのさらに素晴らしいところは、プリンをひっくり返したような、台形の形だってところ。(逆三角形のとんがりコーン型ではなくて)

青いところが、台地みたいになってるのがミソ

もう一度言いますが、左右の軸は、グルタミン酸(代表選手:昆布ちゃん)とイノシン酸(代表選手:鰹くん)の配分比率を表しています。その配分が2:8でも、4:6でも、5:5でも、グラフの縦軸は割と高いところに点があります。

この現象、言い換えると、「パワーバランス(配分比率)とか気にしなくていいからさ、とにかく僕たち2種類が(適当にでも)混ざりさえすれば、気持ちよく(美味しく)なれるんだぜ」ってこと。

ほら、耳元で竹野内豊が囁いているように聞こえませんか。
「ややこしいこと言うのやめてもう混ざっちゃおうよ」という声が私には聞こえます。

だからね、本当に、大雑把でいいんです!


それでも、

「合わせ出汁を毎日取ってますぅ」
「お味噌汁はほぼ毎日手作りなのぉ」
「パック出汁じゃなくて昆布と鰹節使ってますよぉ」

という言葉を想像すると、やばい。丁寧な暮らしポリスきた!!って思いますよね? 私そう言うのじゃないんで放っておいてもらっていいですか・・・ほんだし使ってるとかいえないし、と。全力で走り出したくなる気持ち、わかります。


でも安心して、本当にちょろいから。


というわけで今日も私は、帰宅後に鍋に水をいれ、昆布とカツオの削り節をドサっと投入して蓋をして、弱火にかけ、15分のタイマーをセットして放置します。その15分の間に鍋は勝手に昆布にベストな抽出温度の60℃を通過し、さらに鰹節ののベストな抽出温度の85℃も勝手に通過し、火が止まる頃にはちょうど90℃くらいで最高の出汁にゴールイン。

ワカメも以前は出汁パックを買ったりしていましたが、こちらの方法が気分がいい(ちゃんとしてる感)もあるし、経済的で、結果的にQOLが上がってしまいました。しかも追加コストゼロで。

ワンポイントアドバイスがあるとすれば、最後に昆布や鰹節を取り除くためにざるでじゃーっと漉すと、その後ざるを洗うのが手間なので(ざるの隙間に細かい鰹節が詰まって終わりなき戦いになる)、お箸でつまんで捨てられるサイズの大きな削り節がおすすめ。

こういうのです↓

分厚ければ箸でつまめるのがよい

こういうのじゃなくて↓

ふわふわの鰹節だと後がつらくなる

昆布は、安いものでもなんでもいいと思うのですが、封を開けたら最初に一回ぶんずつにハサミで切っておいて、ジップロックにしまっておくと簡単だし、整列した昆布を見ると小気味よし。


カットした昆布はとても従順


ここで無駄にグローバルに意識を飛ばすと、欧米のスープの代表選手であるコンソメとか鶏がらスープとか作るのに何時間もコトコトかけて煮込むのに比べたら、日本の出汁は時間も手間もずっと小さい。創出する単位うま味あたりの手間に換算すればきっと100分の1くらいで、ものすごいお得感があります。和食出汁、バンザーーーイ。


そんなことを考えていると、「そうそう、適当でええんですわ」というNHKみんなのきょうの料理の土井善晴先生の声も聞こえませんか。私には聞こえます。

せっかくだから、竹野内豊さんと、土井先生と手に手を取り合ってダンスしながら、お袋の味の思い出作り、しちゃいましょ。

癒しと勇気を与える土井先生。
ええんですわ お味噌汁に唐揚げ入れてもええんですわ


今日も一日、お疲れ様でした。

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