食の産業構造をより効率化する|en-Talk#3 株式会社LeapsIn 代表取締役CEO 日置淳平さん
en-Talk〈エントーク〉は、場所や人、環境を問わずに起業家と話すことが出来る、起業や新規事業について一緒に考え、共に成長が出来るフラットな場を提供しています。
〈こんな方にオススメのイベントです〉
◇起業したいけれど、まだちょっと不安で踏み出せない
◇起業したいとおもっているが、自分のアイデアに自信がない
◇起業するにあたり、仲間をみつけたい
◇企業で新規事業をどうやってつくるか、ヒントを得たい
今回は4月14日(水)にオンライン開催した「en-Talk #3」のイベントレポートをお届けいたします。
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第3回の登壇者は…株式会社Leapsln代表取締役CEO 日置淳平さんです!
プロフィール
2008年新卒で大手食品メーカーに入社後、工場での生産管理、品質保証、ユーティリティ管理などを経験したのち、研究・開発部門にて新規生産技術の開発およびその工業化に携わる。
社内の新規事業提案制度を活用し、2018年にコーポレートベンチャーとなるLeapsIn(リープスイン)を立ち上げ、食品製造のBtoBマッチング事業に取り組む。
新たな食品プロダクトに関する数々のプロジェクトに関わってきた経験を活かし、これまでの産業構造では取り組みきれなかった食にまつわる社会課題の解決を目指す。
1. より効率的な事業者同士のマッチングを目指して
勤めていた会社で食品の研究開発を行う中、最適化がされてないと感じた原体験から起業への道を歩み始めた日置さん。社内起業家として大手食品会社の中から社内ベンチャーを立ち上げました。
現在は食品の製造を依頼したい方と食品を製造できる工場の、事業者同士をマッチングする「LeapsIn(リープスイン)」というサービスを行っています。
日置さん:
自分はもともと食品の研究開発をやっていました。新しい食品を開発したいときにはラボのキッチンみたいな場所で食品を作るのですが、これを工場で生産が出来るようにスケールアップしようとすると本当に大変です。特に委託工場を探す際には、ひたすらWeb検索したり、展示会へ行ってパンフレット集めたりしなければならず、とても非効率だなと思っていました。
一方で2015年、当初私は完全栄養食の開発を検討していました。当時はフードテックという言葉もなく、そのような事業をやっている企業はほとんどいませんでした。しかし、あるとき完全栄養食で事業を立ち上げた方とお話する機会をいただけることになりました。そこで完全栄養食が将来、世の中でどのような可能性があるのかという話を聴こうと思っていたんです。
ですが、「よくこれプロダクトにできましたね」と私がお話したときに「パンフレットをビックサイトに行って集めまくって、100社くらい電話してやっと作ったんですよ」と相手の方がおっしゃっていて。私もプロダクトにするまでに苦労した、このような経験がありましたし、自分以外の人もこの非効率なことをやっていると、この話を聴いて感じました。そのため、完全栄養食ではなくプロダクトにする過程をもっと効率化するということを、事業にしようと思うようになりました。
2. リソースの使い方を意識する
社内起業で事業を行っているからこその事業の進め方についてもお話してくださいました。
日置さん:
「企業内起業」、社内ベンチャーだからということがあるのですが、他から依頼を受けてしっかり稼いで食べることもしなければいけないし、しっかりシステムを作ってくために投資しなければいけない…。どちらも大事だなと思っています。自分のリソースを投下すべき事業は、しっかり企業価値に結び付くような案件しかやらないのを意識していますね。自分のリソースの使い方は非常に注意しています。
3. 自分の世界観を表現し、共感を集める
起業をするにあたり、一喜一憂の波が激しいことについて、参加者の方から質問をいただきました。
-参加者からの質問-
モチベーションの保ち方を教えていただきたいです。
日置さん:
1つ目は、ユーザーさんの声を聴く。2つ目は、自分が創りたい世界観を意識することです。自社の世界観に共感する人を増やすことが原動力だと思います。
例えば、お客さんの何かを変えたいみたいな世界観を持っていたほうが良いと思うんです。単純に今ある市場のなかでサプリメントを売るのではなく、自分にぴったりで選びやすくて、実際に体感のあるものを提供する、というサービスの方が共感性を持ちますし、共感してもらうことでモチベーションが上がることもあります。
4. 大切にしてきた価値がなくなる恐れは気にしない
今回のen-Talkでは既に起業された方も参加されていました。既に起業された方の目線から質問をいただきました。
-参加者からの質問-
起業って後悔の連続だと思ってます。「ああしておけばよかったな」というのが後からでてきたりもするのですが、日置さんは、なにかやり直せるとしたらやり直したいと思うことはありますか。
日置さん:
マーケットフィットしなかった場合にピボットすることは良くありますが、その上で「このアイデアなくなったらどうしよう?」という自分の不安な気持ちに対して折り合いをつけるのに時間がかかったことはやり直したいですね。今思うと、自分が大切にしてきたことに価値がないのに気付いてしまうかもしれないという恐れは、気にしなくて良かったことだと思います。
プロダクトを作って顧客に当てるのは本当に怖くて。その感情にどう向き合っていくかに自分自身折り合いをつけられず、事業を前に進めるスピードが落ちてしまった後悔は結構ありますね。
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掲載した質問以外にも、MVPについての考え方や、ユーザーインタビューに臨む際の考え方など、具体的な事業を創る時に起こること、組織体制やチームアップに営業手法など、話は尽きませんでした。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
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