【源氏物語を楽しむ1】源氏物語蒔絵@東京国立博物館1/2
NHKの大河ドラマ、まともに見たことがなかったが、今年は1話から丁寧に見ている。NHKの大河ドラマ・ガイドまで買って、何かをしながら~ではなく、オンタイムで見ている。今年は私にとって「源氏物語year」である。
髭籠は第23帖「初音(はつね)」の意匠で、明石上からその娘明石の姫君に贈った、正月の祝物を表している。
髭籠:竹や針金を編んで、編み残しの端を、ひげのように延ばしたかご。贈り物などを入れるのに用いた。
引出しには収められている帖の題名が書かれている。
「桐壺」、「夕顔」、
「花散里」、「関屋」
「乙女」、「玉鬘」、
「若菜上下」、「横笛」、
「夕霧」、「竹河」、
「さ和らび」、「夢浮橋」
なんて文字が素人の私にも読める。
第23帖の「初音」は私的には地味な帖だったので、どうしてこの帖をモチーフにしたのか謎だったが、「初音」は
「自分の愛妾を一堂に侍らせる六条院造営後、初の目出度いお正月。」の帖だった。光源氏が栄華を極めている様子がとても分かりやすく表されている帖。むべなるかな。
第27帖「篝火(かがりび)」から、蓋表に筝(そう)を弾く光源氏と玉鬘(たまかずら)を配している。
「篝火」は合奏の帖。”篝火に照らされた玉鬘は美しく、光源氏は心中くすぶる玉鬘への恋情を歌にする。”
沈箱:香木を入れる箱
第6帖「末摘花(すえつむはな)」から、光源氏が末摘花のところへ通った翌朝、橘の木が雪に埋もれているのを随身に払わせている場面を描く意匠。
末摘花は源氏物語に登場する女性の中でも醜女(しこめ)として描かれる切ない女性だが、身分はとても高貴。末摘花をモデルとして登場させたのはナゼ~?と作った人に聞いてみたいわ。あ、人としては好きな女性です。不器用で一途な生き方が。