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『ふしぎ駄菓子屋銭天堂19』(廣嶋玲子・jyajya)(毎日読書メモ(495))

今年4月に刊行された銭天堂シリーズ最新刊、廣嶋玲子・jyajya『ふしぎ駄菓子屋銭天堂19』(偕成社)、図書館で順番が回ってきたので早速読んだ。
一旦叩き潰した六条教授が、紅子への復讐へ再始動。
しかし潜伏していて、あまり動きが読めない…個人的には、復讐しようとする六条教授と紅子の対決が主筋であるなら、もう少し動的でないと読者にわかりにくい、この動きが何巻も続くと、読者が飽きてしまうのでは、という不安が。

章だては既刊同様、銭天堂の商品が6点、その中間点にIntermezzo的に六条教授のエピソード。商品は「ライバルバルーン」(最初から最後まで幸運のお客さまに肩入れ出来ないバッドエンド)、「あまえん棒」(幸運のお客さまより、その家族に病理のあるシチュエーションだが、偶然により、お客さまに比較的よい結果の出る終わり方)、「相談だんご」(紅子の話を最後まで聞かない、いつものパターンでドツボにはまり、六条教授の手に落ちる)、「ゴーストロベリー」(一旦ドツボにはまるが、銭天堂のお客さまだった別の人と出会って、タッグを組んだことでうまくいくようになる)、「ごめんラーメン」(一旦うまくいった効果を多用しすぎてバッドエンドになってしまう)、「ドラマチックどら焼き」(紅子の招き猫を助けてあげたお礼に貰った「ドラマチックどら焼き」で変化に富んだ生活を送るようになったが、疲れ果てて、招き猫がもってきてくれた「平凡ボンボン」を食べて、平穏でつまらない人生に戻っていくが、途中で六条教授にデータ提供する)、ということでハッピーエンド1、まぁまぁな終わり方1、振出しに戻ったのが1、バッドエンド3という、まぁ大体いつも通りの歩留まり。

そして、巻末で六条教授が作り出したアプリ「つぐみ」が次巻でどう紅子に挑むのか? 続きはまた次回(今年の秋ですかね)、という展開。有限の人生しか持たない人間が、どうやら何百年も活動を続けているらしい紅子と、本当の意味で対決なんて出来るのか? 最初から勝負になんてなってないような気がするんだけど、と、ちょっと冷めた気持ちで、続巻を待つ。

過去の感想:1巻 2巻 3巻 4巻 5巻 6巻 7巻 8巻 9巻 10巻 11巻 12巻 13巻 14巻 15巻 16巻 17巻 18巻

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