『ふしぎ駄菓子屋銭天堂10』(廣嶋玲子・jyajya)(毎日読書メモ(367))
3日連続『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』。現在刊行されているのは17巻までなのでそんなに慌てて読んでは勿体ないような。多くの子どもたちの支持を受け、テレビアニメにもなり、遊園地にアトラクションも出来ている銭天堂、巻を追うほどに仕掛けの巧みさが際立ってきた。
旅行(9巻参照)から戻った紅子と墨丸を、銭天堂で待っていたのは、健太という素性の知れない少年。
【ネタバレ】その日の「幸運のお宝」である硬貨は、毎朝紅子が福引の箱(いわゆるガラポン)を回して、出た玉に書かれていた数字で選ばれる。そして、お客さまから受け取った硬貨をガラスびんに入れると、うまくいけば新しい金の招き猫が1匹生まれる。
紅子が旅行中に、留守番をしていた招き猫たちがたわむれにガラポンを回したら、その時に選ばれた硬貨を持ってやってきたのが健太。しかし、健太は銭天堂で売っているものを買おうとはせず、自分をここに置いて下さい、と頼む。何も聞かず、健太を預かる紅子。
はじめの4エピソードは、健太も接客の手伝いはするが、特に大きく関与はしない。「天晴れレモン」は雨女が友達の結婚式を晴れさせようとして舐めたキャンディで、本当の幸せを見つけ出す話。人のひそひそ話をことごとく聞きつける「聞き耳グミ」は、ちょっとバッドエンド。迷子になりやすい女の子が買った「家カエル」は、人間の本質を見せてくれる素敵なアイテムとなり、「コントロールケーキ」は過食と拒食がないまぜになった苦い物語だが最後にちょっと救いが。
健太がお店の棚卸を手伝っていて、紅子が処分しようとした「アドベン茶~」を持ち出したところから物語が動く。よどみが仕込んだ「悪意エキス」が入っていた「アドベン茶~」で事件が起こり、紅子が救済に出たところで、健太が銭天堂に来た本当の目的がわかり、健太は自分が持っていた幸運のお宝で、すべてをチャラにする「やりなおしおこし」を買って、銭天堂から去っていく。
色々考えさせられることの多い巻。そして最後に、冷凍庫で凍結されていたよどみが、復活の予感。どうなる11巻!、ってとこです。
過去の感想:1巻 2巻 3巻 4巻 5巻 6巻 7巻 8巻 9巻
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