ガレット・デ・ロワ絵本! 『王さまのお菓子』(石井睦美、くらはしれい)(毎日読書メモ(302))
プロフィール欄に「ガレット・デ・ロワ」と書くくらい、ガレット・デ・ロワが好きだ。毎年クリスマスを過ぎると浮足立ってきて、エピファニー(公現節)の1月6日あたりに気持ちがピークに来て、その後、菓子店やパン屋さんが販売を終了するまで、視線がガレット・デ・ロワを求めてさまよってしまう。今年も沢山食べた(1)(2) 。
昨年刊行された絵本、石井睦美・文、くらはしれい・絵『王さまのお菓子』(世界文化社)は、ずばり、ガレット・デ・ロワについての絵本である。新聞に出ていた新刊絵本案内の記事を読んで、読まなくては、と探していて、ようやく発見。
主人公は、このガレット・デ・ロワの中に埋め込まれているフェーブ(陶器の人形)で、お菓子屋さんでガレット・デ・ロワの中に埋め込まれ、買われた家では、おばあさん、お父さん、お母さん、男の子のきょうだい、お母さんの友達の娘で、母親が病気の間預かっている女の子ベル、の6人でお菓子を分け合って食べる。
フェーブは女の子の形をしていて、ミリーという名前まである。ミリーはベルを慰めてあげたいと思うが、フェーブは男の子に当たる。
ミリーはがっかりするが、男の子はフェーブと王冠をベルにプレゼントする。すると、フェーブが幸運をもたらしてくれたようで、お母さんが快復して迎えにきてくれる、というしらせがベルに届く。
単純な物語だが、みんなでガレット・デ・ロワを切り分けて、フェーブが当たりますように、と願いながらみんなで食べる、食卓の幸せな光景が感じられる絵本。石井睦美さんがあとがきで、ガレット・デ・ロワの分け方を解説してくれているが、この絵本では、子どもたちがテーブルの下に入り、その間に大人が切り分けて、どこにフェーブが入っているか分からない状態で自分のピースを選んでいるが、フランスでは、一番小さい子ども一人だけが隠れて、その子が、どのピースを誰にあげるかを決める、という風習らしい。また、その場にいる人数より一切れ多く切り分け、その一つを恵まれない人に振る舞う、という風習などもあるとのこと。
わたし的には、うっかり包丁をフェーブに当てないで切り分ける方法を教えてほしい...。
絵本を見ていたら、家族に「絵本までガレット・デ・ロワかーい」と笑われたさ。シーズンインまであと8ヶ月!
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