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毎日読書メモ(198)『ジェノサイド』(高野和明)
高野和明『ジェノサイド』(角川書店、現在は角川文庫で上下巻)、単行本が出てそんなにたたない頃に友達が貸してくれて、大衝撃を受けた本。
(2012年1月の読書記録)
友達に借りて一気読み。アメリカ大統領のメンタリティと権限とか、創薬科学とは何か、とか、韓国語の「ジョン」とか、わたしたちには計り知れない進化の先にあるであろう言語体系とか、色々なことを新たに知る。沢山の登場人物がわかりやすく整理され(でも他の人のレビューにもあったが確かに女性はステレオタイプ的だったかも)圧倒的な善人も悪人も殆どいない。その善悪スペクトラムの中で生きる人類は未来を生きる価値があるのか、とか、色々なことを考えさせられる。アフリカについて知らないこと多すぎなのもあらためて自覚。ストーリーとしては、超自然の能力を利用してご都合主義的になりすぎだったり、あとは、主要登場人物の設定から考え、ここの部分はハッピーエンドになるであろう、ということがわかったりとか、やむを得ない部分もあるが、その課程でさまざまなジェノサイドの光景が物語に影を落とす。嗅覚に意識的になると、気持ち悪くて読めない本、かも。いやはや、すごい本でした。