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毎日読書メモ(59)『私にふさわしいホテル』(柚木麻子)

柚木麻子、読んでいて、なんとなくもやっとすることも多いのだが(すかっとするオチを期待してしまうと)、女子の友情とか、それに類する人間関係を「あるあるっ!」という感じに描くのがすごく上手。昔の作品からゆるゆると付き合ってきて、どんどん上手になっていくのがわかる。

柚木麻子『私にふさわしいホテル』(新潮文庫)、表題作は先に『文芸あねもね』(新潮文庫)で読んでいたのだが、この作品で取り上げられた山の上ホテル以外の、さまざまな都内の名門ホテルの物語の中で成長していく主人公の様子を眺めて、楽しかった。

表題作を『文芸あねもね』で読んだときから、突き抜けた面白さに腹を抱えていたのだが、連作短編(それぞれに都心の名門ホテルが登場する)で、作家の卵だった加代子が、さまざまなチャンスと自分の筆力でのしあがっていく様子を描く。某作家をモデルにしているとしか思えない東十条宗典との愛憎絡む(絡んでないって)関係性が非現実的で、何もかもが嘘くさいんだけど、それでもおかしい。編集者遠藤との大学時代からの絡みとか、すべてが後出しの伏線として、加代子を成長させていく。本物の朝井リョウ、宮木あや子、南綾子の登場もナイス。(2016年1月)

#読書 #読書感想文 #柚木麻子 #私にふさわしいホテル #文芸あねもね #新潮文庫 #山の上ホテル




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