「野の医者は笑う-心の治療とは何か?-」/東畑開人
2年くらいオススメされ続けてようやく読んだ。
新たな発見がある!ハイパー役に立つ!人生変わった!とかではないけど面白かったので短めに感想文のようなものを書く。
最近ドイツのこともわたしの感情の揺れも思考も書けてなくて悲しい、でもでもだって眠いもん。
優秀っぽい臨床心理士が、沖縄に多く存在する謎の医療を施すスピリチュアルな人々を取材し、自分についても知る、って感じのソーシャルワーク的なレポートみたいな本なんですけど、本の内容について書くのはめんどくさいし、どうせすでに他の人がいっぱい書いてるだろうし、わたしは相変わらずわたしのことを書こうと思います。
唐突ですが、これまでも何度か書いてきたように、わたしはとあるメジャーなようでマイナーなスポーツを14年くらいわりと真面目にやってきました。
それまでも幼稚園英会話とかピアノとか塾の低学年クラスとか、習い事はたくさんあったんですけど、小学校3年生の時に「とりあえずはこれだけにしよ」と決めたのがそのスポーツでした。
なぜって、できなかったから。
いや、トントン拍子でコースが上がるくらいにはできたけど、もっと出来る子が周りにいっぱいいて、出来ることもあるけど出来ないことの方がたくさん見えてしまって、楽しいだけじゃなくて悔しかったし、全然褒められなくて新鮮だったから。
他はね、自慢じゃないんですけどね、いやちょっとは自慢なんですけどね、まあでも7歳やそこらなら誰でもトレーニングすればある程度の結果は出ると思うからやっぱり自慢ではないんですけどね、ピアノもコンクール出たし塾の夏期講習では飽きて机の上でブリッジするような狂人だったけど大規模なテストでなかなかな成績とったりね、してたからね、まあこんなもんか〜と思ってたんですね。
けどその、わたしが選んだスポーツはね、こんなもんか〜ってならなかったんですよね。単純に友達できて楽しかったのもあるけどさ、くぅ〜続けなくては!って思ったんだよね。
あと、小一になる前から塾に通ってた理由は4歳くらいから自分の存在を疑問に感じていたから……何かおかしい気がしたけど勉強しとけばなんとかなるかなって考えたから…勉強ができれば親は喧嘩をやめるかなと思ったから…でも夜中に酔った父親になぜかテキスト破かれたりしたね……割り算の筆算できなくてミスドで罵倒されたね………
というわけでわたしの人生は基本的にコンプレックスの穴埋めとわだかまりの除去作業でした。
穴埋めと除去でここまでなんとか生きてきたのですが、まあそんなのだいたいみんな多かれ少なかれそういうところはあると思うんですけど、穴って埋まりませんよね。わだかまりもなくなりませんよね。
穴ですらなくてブラジルまで貫通してるんですよね。ドイツ的にいうとどこなんだろう、教えてください賢い人。
わだかまりは活火山あるいはホクロです。
だからまあ、埋めても埋めても蓄積されないし、取り除いても取り除いても蘇生するんですよね。生れ出づる悩み。
そんなこんなでもうコンプレックスとかそういうの考えるのやめよう!終わりがない!永遠!ネバーエンディング!果てしない!とか思ったりもしてたけど、埋め続け、取り除き続けることで満たされる何かがある気もしている、最近。
闇の向こうに!oh!oh!手を伸ばそう!ってことですかね。はてしないミヒャエルエンデと見せかけてミスチル。
つまり癒そうという行為によって癒されるというか。
その行為をやめたら傷はまた生々しくぐちゃぐちゃな傷になるのだろうけれど、その必死な癒しによってとにかく今だけでも癒されて生きられる、っていうのは大事かもしれないと思ったり。
つまりは勉強して本読んで筋トレしましょうってことかな!
筋肉つきづらいし頑張って筋肉つけても体力はつかないしお腹は弱いし椅子に座ってられないしTwitterしちゃうしもうずっと眠いけど。
癒すことで癒されるというか癒す人は癒しを求めてるな〜癒されたいんだな〜っていうのはいろんな病院のいろんな医療者をみて、関わって、肌で感じてきた。
わたしと同じ薬を飲んでるとか飲んでたとか、毎晩過食嘔吐してるとか、患者かよって思うような看護師とか、話してても悩んでるなあ〜って手に取るようにわかる福祉士とか、抑圧されてるんだなあって心理士とか、見てきた。
病んでるから医療者なのか医療者だから病んでるのかはわからないけど、毒親育ちが子育てすることでなにかを取り返そうとしているように見えるのと同じというか。
幸も不幸も苦痛も喜びも不安も安心も怒りも安らぎも、循環しているなあというか。
近年沖縄で流行ってるらしい癒しはオンラインサロンにも似ているなと思った。
「○○サロンの△△です!あれとこれとそれができます!お仕事ください!」みたいな。
お金を払って所属して市場で価値を見出してもらってお金を得ることで癒されてる。
わたしのお世話をしてるつもりの人たちもその実、その関係性の中で癒されてるってことを忘れずに!
いつまでもしたり顔で上に立った気分になってるのはダサいし(わたしから)モテないよ!
それらの感覚がうまいこと本の形におさまってるのはすごいな〜と思ったからみんなも読むといいよ!精神科とか興味ない人でも読み物として面白いし、読みやすいし。(※ステマじゃないよ!)
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