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どんな言葉を並べても真実にはならない
「どんな言葉並べても 真実にはならないから」
これは宇多田ヒカルの「花束を君に」の歌詞の一部だ。
この言葉を聞いて、あなたは何を思うだろうか。
私はこの言葉の意味をかれこれ1週間ぐらい考えている。
「何考えてるのかわからない」
「自分のことあんまり話さないよね」
これまで私はこんな言葉をたくさん聞いてきたが、それは私が自分の感情や私的なことをあまり口にしないからだ。そして、その理由がまさに、冒頭の歌詞に詰まっている思う。
自分の感情を口にすることは、私にとって、とても難しいことだ。今の感情を伝えるためにはどの言葉を使うべきか、考えて考えて、考えた末に口に出すことを諦めてしまう。
どの言葉も自分の感情を完璧には表現できないし、不完全な言葉で表現したら自分の本当の感情ではなくなってしまう気がする。
だから、大事な感情であればあるほど、口に出すのが難しい。大事であるからこそ、ちゃんと伝わらなかったらどうしよう、否定されたらどうしよう、そんなことを考えてしまう。
それに、ずっしりとした重みのある感情なのに、口に出してしまったら軽くなってしまう気がする。私はそれがものすごく怖い。
そんなふうに考えて、大切な感情は自分の中に大切に大切にしまってしまうんだ。
「言葉にしなきゃわからない」
こんな言葉もよく聞くけれど、確かにその通りだと思う。何を思おうが、感じようが、口にしなければ結局何にもならない。わかっているから、もう少しだけ時間が欲しいなんて言うのはわがままだろうか。
もう少しだけ、自分の感情と向き合って、その感情をできるだけぴったり表現できる言葉を探す時間が欲しい。
この前、そんなことを考えてぼーっとしていた私に、3年前から私が静かに片想いしている彼が言った。
「考えてること、いつか俺にも教えて。ちょっとずつでいいから。」
この言葉を聞いた私は、多分少し泣きそうだったと思う。自分の感情と向き合う苦しさや、それを言葉にできないもどかしさを彼は知っているのだと感じ、少し胸が苦しくなった。
彼は、言葉を大事に、綺麗に紡ぐ人だ。私はいつも彼の言葉に多くのことを考えさせられ、感じさせられる。だから、私も彼のように言葉を美しく紡げる人になりたいと強く思う。
そして、彼への大切な感情も、いつか、彼の言葉と同じぐらい美しい言葉で伝えられたらいいなと思う。
宇多田ヒカルが言うように、どんな言葉も真実にはならないのかもしれないけれど、私はこれからも言葉と向き合って、大事に紡いでいきたい、そんなふうに思いながら今日も生きていこう。
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