
【写真日記】縄文人と太陽の光「金山巨石群」を歩く
岐阜県のほぼ真ん中、下呂市金山町の山の中に「金山巨石群」があります。
ここは縄文時代の遺跡であり、また最近の研究では、縄文人たちの暦の観測所だったのではないか…とも言われています。
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さて、ここでちょっと話を変えて、岐阜県について、簡単に説明させていただきますね。
岐阜県は、名古屋に近い南部を美濃地方、北陸の富山県に北部を飛騨地方といい、大きく二つに分けられます。 美濃地方と言えば、戦国時代が舞台となる大河ドラマには毎回必ず出てくる地域です。一方の飛騨地方は、下呂温泉や白川郷、北アルプス、飛騨高山…等があり、観光地として国内外で有名です。
ちなみに、美濃地方と飛騨地方は、気候・文化・歴史・言葉(方言)も異なっていて、同じ県でも大きく隔たっています。
そして今回、お話しする金山町は、同じ飛騨地方でも南部に位置する下呂市にあります。下呂市内でも南寄りの町です。位置的には、美濃地方と飛騨地方の境目になります。この金山町の山の中に、縄文時代の遺跡「金山巨石群」があります。
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以前から、飛騨金山に不思議な巨石群があるという話は聞いていたので、「いつか行ってみたいなぁ」と興味をもっていました。
しかし、上の地図をご覧の通り、私が住んでいる高山市内からはちょっと遠いイメージがあって、なかなか行くことができなかったんですよね。
しかも今は特に、感染予防で遠方へ出かけるのも躊躇(ためら)われる時…。同じ飛騨地方でも、金山は最南端ということもあり、ちょっと遠いから行きにくいなぁ…と思っていました。
でも、今回、ちょうど車を買い替えた時でもあるので、思い切ってドライブで出かけてみることにしました。
41号線を通って下呂市へ進み、下呂市内で新しくできた道路を通りながら、巨石群がある方へと向かっていきました。
遠いイメージがあったものの、実際に出かけてみたら車で約1時間半ほど。
でも途中で休憩しながら向かったので、この日は片道2時間くらいかけて行きました。
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大きな道路から、山の道へと入りました。
途中、道路の案内板の指示に従って、更に進んでいきます。
すると、上の写真のように、渓谷沿いの細い道路の左側に、大きな岩がごろごろしている場所が見えてきました。
ここが「金山巨石群」(かなやまきょせきぐん)です。
皆さん、道路脇に車を停めているので、私たちも空いている場所に車を停めました。
この場所についての詳しい説明は、下記の【tripnote】「岐阜観光」のこちらのブログをご参照ください。
金山巨石群とは、岐阜県下呂市の岩屋ダムから500m地点にある「岩屋岩陰遺跡」、「線刻のある巨石」、「東の山巨石群」の3か所からなる巨石群のことを指します。 (上のブログ記事より抜粋)
こちらの説明によると、巨石の三つのゾーンを「金山巨石群」と呼んでいるそうです。
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それでは、まず「岩屋岩陰遺跡」から行ってみましょう。
こちらが岩屋岩陰遺跡に向かう道ですが、実は、この遺跡は「妙見神社」でもあり、遺跡に通じる道は神社の参道となっていました。
石段の先に鳥居が見えます。
鳥居をくぐると、その時に大きな岩が見えてきました。
ここが、妙見神社(岩屋岩陰遺跡)です。
この柵の奥にある大きな岩の中で、縄文人たちは太陽の光の差し込み具合から、うるう年を計測していたそうです。
先の人たちが下りてくるのを待って、私たちも登り、お参りしました。
この後、横にある細い山道から、この大きな岩の裏側へ続く道があったので、ちょっと登って歩いてみました。
こちらは岩の頂き。
この岩の角度。縄文の人々は、この隙間を通る太陽の光によって暦を確認していたそうです。本当に驚きです。
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神社の脇の森。空気が清々しいです。縄文の人々が住んでいた場所は、いい「氣」が流れていて心地よいなぁ…といつも感じるのですが、ここも爽やかな良い氣の所でした。
ぐるりと回って、神社の前に出てきました。
左側から見る妙見神社(岩屋岩陰遺跡)。岩が大きすぎて写真に全貌が納まりきりません~💦。
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次に、他の巨石のところにも行ってみましょう。
こちらが、「線刻のある巨石」「東の山巨石群」のゾーンです。
岩屋岩陰遺跡(妙見神社)のすぐ横に、こちらに続く道がありました。獣道のような細い遊歩道ですが、きれいに整備されているので、歩きやすいです。
所々に案内板が設置されてあります。
それにしても大きい。なかなかの迫力。
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こちらは、冬至の頃の太陽観測スポット。
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私たち以外にも、見学者が何組が訪れていました。
この日はちょうど夏至の前日。
地元ガイドさんが、これら巨石群について説明をされていました。
お話をされているのは、金山町の観光協会が主催している体験ツアーのガイドさん。初めての方は、こちらを利用するのも良いと思います。
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岩と岩の間をゆっくり歩き、一時間ほど散策して、この場所を後にしました。
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この後、金山巨石群のすぐ近くにある「岩屋ダム」にも行ってみました。
このダムは、岩石や土砂を積み上げて作られる「ロックフィルダム」です。
そのため、ダムの斜面は(こんな感じで)岩石がゴロゴロしていました。
下に見えるのは発電所。巨石群は、この川の左側の方、左岸の山の中にあります。
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そして、こちら(下)は湖側の風景。湖側のダムの斜面はゆるやかです。海や河川の堤防みたいな感じです。
落ちると大変なことになるので岩場には行きませんが(危険)、斜面がそれほど急じゃないので、ダム湖を見ていても怖さはあまり感じないないです。
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しかし、こちら(下)の発電所側。こっち側のダムの斜面は、メッチャ急です。
かなり高いところに来ている感がハンパないです。高所恐怖症には、ちょっとキツイかも…(汗)。
この岩と鎖が唯一の境界線。ここから車で落ちたら間違いなくお陀仏でしょう…。怖っ!
発電所側はビビるので、もう一回、湖側へ行ってみます~。
こうして目線を上げて周囲を見渡せば、周りは緑の山山山…。爽やかな風が吹いて心地よいです。開放感があって良いですね~。
自然の景色を眺めていたら、気持ちが晴れ晴れしてきました。
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久しぶりに訪れた飛騨金山。
縄文人の遺跡に触れ、また、大きなダムの絶景を楽しみ、とても充実した日帰り旅となりました。
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