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えまだより。vol.14





映画、本、音楽などスキを詰め込んだマガジンです。好みがかなり偏っておりますが、好みが被る人も、被らない人も、いろんな人と知り得た作品をシェアしていきたい気持ちなのです。5作品くらいたまったらシェアする仕組みとなっております。更新頻度は不定期です。(映像作品はだいたいNetflixで観ております。)



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空白

古田新太さん演じる、気性荒めのTHE漁師のお父さんはかなりリアル。誰にでも一貫した態度だから、気性は荒いけど、悪い人ではないんだろうなと。ただほんとに素直じゃなくてね。生きるの大変そう。

娘が万引きをしたとは考えられない。化粧になんて興味がないと思ってたから。言いにくそうに、学校のことで話があると言い出した。いじめられていると思った。深刻そうだったから。本当は三者面談のことだった。一緒に住んでいるけれど、娘について何も知らないと思い知らされる日々。どこにぶつけたらいいのかわからない怒り。最初に娘をはねた自動車を運転していた女性は、謝罪に通っていたけれど、聞かずに流していたらあるとき自殺したと一報が入る。自殺を考え実行してしまった理由に、今回の事故の件も含まれていたとなると、本当に居たたまれない。それでもお母さんは、責めることもせずに、本当に強いと思った。

悪意のある報道で、店長も悪者に仕立て上げられ、スーパーは客足が遠のいて閉店。パートのおばちゃんは、自分が全て正しいと信じて疑わないし、やめてほしいの言葉さえ遠慮しているのだととらえてしまう。善意の押し売りは悪にもなりうる。スーパーをやめて工事現場で働いていると、同僚の一人がスーパーの焼き鳥弁当が好きだったと声をかけてくる。泣いた。こういう人が、暗闇の中にいるときに光をあたえてくれるんだよね。ありがとう過ぎた。

娘が好きだったものを知っていこうと、絵を始めたり、少女漫画を読み始めたり。あるとき部屋で隠していた化粧品を見つけて、自分が間違っていたことに気付く。娘が好きだったものに触れるようになって、少しずつ表情が明るく、人相も変わっていった気がした。学校から届いた絵の中に、イルカの雲を描いたものがあって、そこでやっとわたしも救われた気持ちになれたかも。



縞模様のパジャマの少年

ずっと観たいと思いながら、観ていなかった作品だけど、Netflixさまで見つけたので鑑賞。夜に見る映画ではなかなったです。明るくても耐えられないと思うけど、夜だとさらにキツかった。

子どもの純粋さ、好奇心、見境がないことで生まれた友情と悲劇という感じ。そもそも、戦争自体が大きな悲劇ではあるのだけど。

フィクションと知ったうえで観たとしても、かなりキツい内容。涙も出ないほどショッキングです。この映画の中で唯一の救いは、お母さんが反対してくれていること。

大声で脅されながら移動させられて、途中で倒れた人は射殺されてしまうこと、連れていかれた部屋ではシャワーを浴びることができると信じていること。胸が痛すぎる。

この出来事で我が子を失った所長が、自分のしてきたことの酷さに気付いて、全てを終わりにしてくれたらなと願うばかりでした…。



渇水

注目すべきポイントがどこに置かれているのか、少し難しい。
水道局の人たちの話なのか、虐待の話なのか。主人公が奥さんと息子と別居中という背景について、描写が少ないので経緯とかもいまいちつかみにくい印象。主人公が子供の頃に親からどんな風に育てられたかもわからないし(少し自分で話をしている部分はあるけどね)、家族と一線を置いて自分の子どもとも積極的に関わらないような姿勢は、それだけで別居の理由になるのかもしれないね。わたしは結婚もしていないし、子どももいないから、どうとも言えないのです。

停水に行った家で、取り残された幼い姉妹。家にあるだけの桶や鍋に水を溜めて停水作業をする。2人で出かけて帰ってくると、お母さんからの置手紙と大量のお菓子。妹はお母さんが帰ってきてたんだと喜ぶけれど、お姉ちゃんはもうお母さんが帰ってこないことを察して、お菓子を庭に投げ捨てる。分かりやすすぎて、もうほんとにキツいなぁと思った。

お姉ちゃんが万引きしている場面に遭遇して、大人なんて誰一人信じていないというようなことを言われたあと、公園の水道さえも停水された町で、いきなり元栓を明けて子供たちと水浴びという過激な行動から雨が降ってくるシーン、好き。

信じられる大人はいないと話した姉妹、施設に入るために町を出るときに、お手紙と金魚を届けに来たのは信頼できる大人のひとりとして認められた感じがしてよかった。水不足の街に雨が降って、息子から電話がかかってきて、家族関係も修復に向かうのかな。そうだったらいいなというラスト。



メタモルフォーゼの縁側

久々にこういうほっこり系を観た気がするのだけど、ほんとにほんとに好きすぎたので、全人類におすすめさせてほしい。

ひとつの共通点だけでつながった2人。お互いを“友達”と認識しているところもいいなぁ。

母子家庭で、程よく放任主義なこともあったからこそつながった縁でもあったように感じる。かなりの田舎で育って、妹たちよりも少し過保護に育てられたわたしはこんな経験できなかったけど、もしかしたら、よく通った図書館の中にこんな出逢いが隠れていたのかもなぁなんて思ったら、ちょっとだけ戻ってみたくなっちゃうよね。

うららちゃん、ほんとは紡くんのこと好きだったのかなぁとか考えちゃったんだけど、作品レビューを覗くと「幼馴染の恋愛模様いらんだろ」派も居て。そうか~、いらんか~。いらんと思えば、いらんのかもな~。みたいな、わたし的にはどっちとも言えない感情です。

同じ部屋で漫画を読むシーン、紡くんが段ボールを発見して、そのからうららちゃんのお気に入りのBL漫画を読んでいるとは露知らず、適当に「そうだよね~」とか返事して。
どちらかというと地味で目立たないうららちゃんとは真逆のタイプの紡くん。学校で彼女の英莉ちゃんにBL漫画の話をするとたちまちハマって、仲のいいグループ内でもBLの話題を出して会話を盛り上げる。いいなぁ、と心の声。

日向にて目立つようなタイプでも、教室の隅っこにいるような人にも優しくしてくれるタイプの人、すごく好き。でも、こちら側は素直になれんこともあるのです。でも、仲良くなりたいと思っていますよ。本当に素直じゃなくて、わかりにくくてごめんなさいね。という気持ち。(裏のあるタイプの人間もいるものね。自分の人気票のために、日陰の人にも優しくするような。誰かに優しくしている自分が好きなだけの人)

何かを始めるきっかけは、年齢って関係ないよと教えてくれる素敵な作品。
そして、縁側のあるおうちは最高なんだって改めて気づかされる作品。




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おしゃべりしすぎてしまったので。今回は4作品の紹介で。前回の更新からだいぶあいちゃってたなぁと。また、のんびり更新しますね。

きょうも読んでくれてありがとうございました。またね。





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笑愛(エマ)
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