小椋 渦

/作詞•作曲•編曲/アートワーク/

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    芸術と愚痴が混在する散文詩

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    詩とは違う駄文で吐露しています。

最近の記事

青鷺

影が深くなるこの季節の夢 僕は茂った安逸を貪る幼虫 羽ばたく未来は何処に消えた 怯懦な僕に諦めが羽化した どこにも行けないが 居場所がここだとも思えない 睨みつける青鷺 僕は啄まれることを恐れてる 幸せになるための苦労 幸せになる前に終わっちまった

    • 流体

      空に滲む紫煙のように 淡く曖昧な僕がいる 余燼となった熱情を ぼんやり眺めている 世界は変わり続けてるけれど 僕だけ取り残されてしまった 厭世観の呪縛で変われずに 続く延命の日々 心に渦巻いてる もどかしさを転がして勘繰る 僕は何をしているのだろう 代わり映えしない日々に 緩やかな死の匂い 淀む日常の中で思い出す 憧れた夢のこと 焦がれた君のこと 触れられなくなったものばかり増えて その寂しさ故に咽び泣く 消えてしまうものに 感情を置いていかないで 思い出になってしま

      • #牧歌日記 揺れる II

        現状と気持ちに齟齬があると苦しくなる。 僕は現在半分引きこもりの生活をしている。外から見たら甘えてのうのうと気楽に暮らしていると思われるかもしれないが、気持ちの部分で常に気を張っている。正直、引きこもりになる少し前から心が休まった事がない。思い切り家族に甘えられたら楽なのだろうが、そうもいかない。 自立しなければという思い、もう夢は諦めて仕事をしなければという思い、外に出るのが怖いという思い、夢を諦めたくない思い、何もしたくない思い… あらゆる感情が渦巻いてぐちゃぐちゃ

        • #牧歌日記 揺れる I

          昨年、Electro-Bokkaを終了し、新たに「小椋晴斗」名義で活動をしている。 その第一弾の新曲「生きて」 公開から2日で再生回数が200回を超え、前作「Electro-Bokka」で1ヶ月かかった再生回数をたった2日で超えてしまった。 200回再生なんて少ない数だと思うかもしれないが、これを読んでいるあなたもやってみたら良い。広い広いYouTubeの海では、三桁回数どころか二桁回数もいかない世界なのだ。 「生きて」は、わかりやすさを意識した作品で僕としてもよくや

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        記事

          晴れ

          世界がうるさくて僕は閉じこもった 美しいものは僕の中 内省して歌を奏でた 光に迫る闇に気付かずに 僕は塵芥 麗しき塵芥 この身に添う虚しさに染められ 朧げになってしまった 命や夢や未来と 共にゆるやかに崩れていく 世界の静けさに僕は息を殺した 枯れ果てた僕の中 漠然とした不安に泣いた 闇に彷徨い呼吸は荒れる 僕は塵芥 ただの塵芥 汚れた姿を笑い合えるように 朧げになってしまった 命や夢や未来を 紡いで光を取り戻せ 呼吸に耳を澄ませて 僕は僕の輪郭に触れる 僕の今に触

          生きて

          心が死んだ 空っぽだけを残して淡く溶けていく 残滓となってしまったのなら どこか遠くへ流されていけ 少し疲れたから涙が溢れだしてしまったんだ 痛みに耐えてしまう君だから 一人で泣いているんだろう 消えたい思いが募る日々 それでも生きていたいよ 嘘でもいいから許しを 流れる風が頬に触れて 季節を少しずつ振り返る 緩やかに消えてゆく忘れてく日々 どうしようもなく寂しくなった 影に映し出された 震えてる心を 抱きしめたいんだ 痛みに耐えてしまう君だから 一人で泣いているん

          さなぎ

          堕ちゆく巨星 今こそ別れを告げて 落ち着く悲鳴 今では本音を言えるよ 饒舌とは暴力だ その魔法が解けるまで平穏はないだろう このまま身を寄せて この部屋の中で蹲る

          #牧歌日記 ウソ、ズレ、ウソ

          相談できる相手がいない。 というより、相談しようとしてもなぜかブレーキがかかって言いたいことが言えない。 こう思われたら嫌だとか、恥ずかしいだとか余計なことを考えてしまって、相談したくてもうまく伝えられず、結局一人で抱え込んでしまう。 詩を書くことにのめり込んで行ったのは、そういうことがバックにあるんだと思う。 自分を欺く度に、理想と現実がズレていく。これがなかなかしんどい。僕はこだわりが異常に強く、気弱な癖に頑固なタイプなので上手くいっていなくても、納得できなければそ

          #牧歌日記 ウソ、ズレ、ウソ

          開花

          風が枝から葉を払い春を迎える支度をする 今日は綺麗な冬の空 あらゆる兆しを感じながら 僕は僕だけが変わらないことに焦る 風が木の葉を巻き上げて冬を連れていく 今日は綺麗な冬の空 あらゆる兆しを感じながら 僕は僕が萌芽するまで寄り添う

          望郷の詩

          とても懐かしい感じがする あの頃の希望に満ちた あの春の日の あの夕暮れの あの自分 今日、心が死んだ。

          #牧歌日記 なんなんだこの体は。

          「なんなんだこの体は」 そう自分の体に思ったことが何度もある。 昔から運動が苦手で、体育の授業でバスケなんかをやった時は、上手く立ち回れずよく同じチームの友達に責められた。(だから高校生になって、できないことを笑ってもらおうと考え方を変えるまで、体育の授業が死ぬほど嫌いだった。) その程度ならまだいいのだが、大学生になってからパニック障害になり、電車や映画館で発作が出ることがあった。 運動神経が悪いだけじゃなく発作で思うように動けなくなった。 2年前、就活をしていた時にパ

          #牧歌日記 なんなんだこの体は。

          #牧歌日記 周期

          今日はかなり冷え込んだ。最近は毎年のように暖冬だから、冬らしい冷え込みになるのも僕が子どもの頃に比べてだいぶ遅くなった。 ようやく年の瀬らしくなってきた。 僕の家では、必ず年末年始を祖父母の家で過ごしていた。大体12月28日くらいに帰省して、1月2日に親戚家族と初詣に行き、1月3日に自宅に戻るというのが毎年の恒例行事だった。いつまでもそういう年末年始を過ごすのだろうと勝手に思っていた。 今年、祖父母が立て続けに亡くなった。 土地は叔父が相続したが、住んでいないので実質空き

          #牧歌日記 周期

          #牧歌日記 自由になりたかった

          ずっと悶々として生きてきた。幼少期から内気で自分に自信がなかった。何をやっても上手くできない僕は、生きることそのものに悲観し、未来に希望を見出せなくなっていた。中学生くらいまでそんな感じだったと記憶している。暗くて空想に耽ってばかりいた。高校生になって音楽に出会った。それからというもの、耽溺に音楽を聴いて作ってを繰り返す生活をしていた。大学生になってからもそんな感じだった。音大生でもないくせに講義中に音楽理論の本を開いて音楽の勉強をしていた。 僕は自由になりたかったんだと思

          #牧歌日記 自由になりたかった

          崩壊

          体ばかりが大きくなって 今でも心は子供のままで 部屋で蹲って泣いている 淋しさとだけ身を寄せて 僕はずっと子供のままか 逃げて疲れてまた泣いて それでも日々は続いてく 枯れて萎れてまた朽ちて それでも日々は続いてく 過去の苦しみは終わらず 僕の心の奥から来襲する 不安は喚起し神経は震え 理由もわからず涙を流す 苦しみや痛みの朝が来て 僕はまた漂うだけの一日 平日の昼間の住宅街では その静謐に息を殺す孤独

          錆び

          憎しみとは錆びである。 時と共に侵食し、その身を覆い尽くす。

          mockumentary

          文明の終わりを見た。 耕作放棄地、錆びた鉄の杭、虫を食べたヒキガエルの死骸に群がる無数の虫、枯れた花の下で春を待つ種、お産婆が取り上げた赤子の祖父は何百人もの敵兵を殺して英雄と犯罪者になった。 <ただ生きてて、ただ死んだ。> 極めて充実したこの事実に、人は意味を探して掻き回す。そして誰のためだとか、定めだとか言って涙を流して敬意を払う。彼らは事象ではなくその意味に涙を流す。意味に涙を流すしかないのだ。それほどまでに我々は、人が創り上げた世界で暮らしている。  戦闘機が空

          mockumentary