なんだか焦っている会社員がスマホを埋めて「検索しない1日」をやってみた。
こんにちは、ひらふくです。以前も会社員目線で記事を書いたことがあるのですが、今回も仕事をきっかけとした出来事です。
最近仕事でよく目にするのは「DX」「プログラミング」「AI人材」「メタバース」…世の中はデジタル一色。
でも私は得意教科が国語、大学は文学部という生粋の文系です。はたしてデジタル社会で生きていけるのだろうか?と不安になったり。
とはいえ、私もスマートフォンを手放せません。
朝はスマホのアラームで起き、SNSをチェックし、支払いは電子マネー、移動するときはGoogleマップ、ショッピングはアプリから。スマホの充電が少なくなると不安になるほど依存しています。
ただ、ふと「本当にそれでいいの?」とも感じます。情報は好きなだけ探せるし誰とでもつながれる。「できる」ことが増えるほど「あれもやらなきゃ!」「世の中に追いつかないと」となんだか焦る気持ち。
その正体が知りたくて、普段とは反対の「まったくスマホを使わない1日」をやってみることにしたのです。
※記事中の写真はすべてデジカメで撮影しました!
検索なし。スタートはスマホを埋めるところから
ある日曜日にスタート。部屋に置いていると手が伸びそうになるので、いっそ埋めてみることにしました。普段はまず確実な方法を検索するのですが、今日は手元にある材料から考えます。
電源を切ってビニール袋に包んで木箱へ。
段ボールでぐるぐる巻きにしたら
スコップで掘った穴の中へ。ずいぶん暖かくなって首筋にチリチリと日差しを感じます。
土は固くて5分ほど悪戦苦闘し葉っぱをのせて完成!子どもみたいだな、と笑ってしまいました。
マップなし。次の進路は分かれ道についてから
午前10時、カメラを持って出かけることにしました。駅まで15分の道を、いつもと違う角で曲がってみると知らない三叉路です。
普段はGoogleマップが最短ルートを示してくれるので分かれ道でも立ち止まりません。
でも、今日は私が選べます。さあどっちに行こうか?桜がきれいなお家ルートを進むことにしました。
SNSなし。レモンラーメンと「お疲れですか?」
その後は電車を終点までぼんやり乗ったり、路地奥の看板を見つけ何屋さんか知らないまま扉を開けてみたり。いつもは時刻表や口コミを見てから行動しますが、今日は検索できないのでとにかくやってみます。
レモンラーメンという目新しさに惹かれてラーメン屋さんに。ラーメンもおいしかったのですが、食べ終わってぼーっとしていたら店員さんが話しかけてくれました。
「お疲れですか?」
お店の人に話しかけられたのは久しぶりでした。もしかしたら、スマホを触っていてこんな機会を逃していたのかもしれません。女性店長さんとのお話は弾み、「女性のためのラーメン屋さんがしたかったんです」という笑顔がすてきでした。
ニュースなし。手書きで残す今日の日記
私は手元のメモにボールペンで今日の出来事や気づきを書いていました。通勤や退勤時は世の中のトレンドやニュースを追いかけています。でも、本当は自分が感じたひとつひとつも大事なニュースなんだなと思いました。
「できない。知らない」だから膨らむ「したい!」
スマホを埋めて半日。スマホに世界が詰まっている気がしていたのに、掘りかえしてみると「こんなに小さい板だったのか」と不思議でした。
道に迷ってばかりだったし非効率な1日です。でも「この角を曲がってみたい」「終点まで行ってみたい!」とワクワクして、自分の「したい」に素直な1日でもありました。
検索すればすぐに完成形や正解がわかってベストなルートをとることができます。私はその正解に追いつかないとと焦っていたのかもしれません。
ですが今回は検索しなかったからこそ、今できる方法を考え、道を自分で選び、新しい人と話せて、自分の気づきを得ることができました。
「なんでもできる」は良いことだと思っていたけれど、自分で考え、自分で選ぶ自由さを奪ってしまうことでもあるかもしれません。
「なんでもはできない。なにも知らない」は、想像する自由さや、情報に左右されない自分の「したい」を教えてくれます。
もし、たくさんの情報のなかで「自分は何がしたかったんだっけ?」と感じたら、スマホのない1日をしてみませんか?
まだ誰もアップしていない、あなたの「したい」を探しに。
Text by ひらふく(おとな教育の実践人事)