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憧れの細田屋なめこ汁は露と消えた・・・
今回の高尾山登山の目的は遅めの紅葉狩りだけではなかった。
それと同じ位大事な目的。それは・・・
奥高尾の茶屋、細田屋のなめこ汁とおにぎりでランチをする!!
なのだ。
わたしの愛読書「高尾の天狗と脱・ハイヒール」の中に、度々出て来た細田屋のなめこ汁。
読む度にいつか高尾山に登った時は絶対に食べたいッ!と思っていた。
なのに前回登山した時に、山頂でお腹いっぱいおにぎりを食べてしまい、大失敗!
もみじ台まで行ったにも関わらず、なめこ汁を断念したのだ。
目の前に細田屋があるのに・・・
あの悔しさをわたしは忘れない・・・
その失敗を踏まえ、今回は山頂でおにぎりは食べず、もみじ台の奥高尾まで行って
細田屋でなめこ汁と共に食べる!!
今度こそ細田屋のなめこ汁!!と固く誓って山を登る事にした。
キツイと言われる病院道コースを頑張って登ったのも、このなめこ汁を美味しく
食べるためだ。
無事、高尾山山頂を経て長い階段を降り、目指すはもみじ台。
見えてきた!なめこ汁・・・もとい!細田屋!
![](https://assets.st-note.com/img/1703557873615-VLgYGC1zJn.jpg?width=1200)
待ってて!細田屋!!
細田屋のなめこ汁、細田屋のなめこ汁…
心の中でリズミカルに唱えながら、黙々と山道を歩く。
着いた〜!!!!
今日ももみじ台からの富士山、最高!!
![](https://assets.st-note.com/img/1703557874984-1NiTwBRZ9H.jpg?width=1200)
しばし、景色を堪能し、さぁ!いよいよ待ちに待った、恋焦がれたなめこ汁だ!
![](https://assets.st-note.com/img/1703559134142-LXNIXqEjaP.jpg?width=1200)
カワイイ茶屋。
ココでランチするのがとっても楽しみだった。
この瞬間が最高にしあわせだ。
さて、オーダーする場所は・・・と進む。
もうオーダーするものは決まっている。
お店の人が出て来た。
「なめこ汁をひとつ下さい」
ウキウキでオーダーし、財布を出す。
えーと・・・450円ね。
ん?
え?
お札が1枚も無い?
え?何で?昨日の夜まであったよ!?お札。
ちょ・・・ちょっと待って!!
慌てて小銭を確認する。
小銭入れには・・・
50円が1枚と10円が6枚と1円が3枚、と5円?
わたしの今の全財産、118円!!!!!??????
うそ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!
ナンデ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
「す・・・すみません・・・現金のみですよね?」
「はい」とお店の人。
そうだよね〜〜〜〜〜〜
118円しか無いわたし・・・
「すみません・・・キャンセルでお願いします」
前払いのシステムで助かった。
食べてからお金がありませんでは目も当てられない。
も〜〜〜うそでしょ〜〜〜〜〜〜〜・・・
ここまで来て!!なんで118円しか無いのよ!!
昨夜はあったのに!!!!
思い当たるのは1人しかいない。
次男だ。
今日は学校行事で遠出をすると言っていたので、交通費をお財布から抜いたのだろう。
早朝に次男は家を出たので会っていない。
けど、お金抜いたよとメモでもLINEでもしてくれたらいいのに!
しかも全部のお札を抜かなくてもいいじゃん!!
1000円位残しておいてくれてもいいじゃん!!
あまりにもショックで、怒りのLINEを家族のグループにもみじ台から送る。
学校行事の真っ最中なのだろう。肝心の本人は既読にならない。
なんか涙が出て来た。
わたしが今日、どれだけもみじ台でなめこ汁ランチするのを楽しみにしていたか!!
何でよりによってATMも何もない高尾山に行くって言っている日に118円を残して
全ての札を抜くのかッ!!
仕方なく細田屋を出て、細田屋のすぐそばにあるベンチに
ガックリ肩を下ろして座った。
リュックから半泣きでおにぎりを出し、持っていたお茶でおにぎりをモソモソ食べる。
なんでこんな気分でおにぎりを食べなきゃならないの?
大好きな高尾山で・・・
ほんとだったら、あったかいなめこ汁と一緒に食べているはずだったのに・・・
じわ〜〜〜・・・
ほんと泣きそう・・・
怒りがまた湧き上がってきた。
食べ物の恨みは恐ろしいとはよく言ったものだ。
LINEが既読になった夫と長男に怒りをブチまける。
次男・・・帰ったら覚えてろよ・・・
こうして憧れの細田屋なめこ汁は露と消えたのであった。
マジ許さん。
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