えじぞう | 指導主事の仕事にちょっと役立つここだけの話

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えじぞう | 指導主事の仕事にちょっと役立つここだけの話

指導主事向け情報サイト「指導主事Hub」管理人 https://sites.google.com/view/shidoushuji/%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF%E9%9B%86 インストラクター、小学校教員、指導主事、文部科学省を経て、現在は指導主事

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指導主事のHubになる!

「4月から指導主事として働いてください・・・」 私がそう言われた時、とりあえずインターネットで検索しましたが、知りたい情報は出てきませんでした。何も分からないまま仕事を始め、先輩たちに教えを請いながら必死に取り組み、数年経つと自分の仕事は何とかなってきました。 そんな折、ふとインターネットで指導主事について改めて検索しました。しかし、数年前と状況は変わらず、指導主事の実務に関する情報はほぼ出てきませんでした。そのとき、数年前の私と同じ境遇の方がおられるのでは?とふと思いま

    • 不確実な未来で生きて働く力とは?:「コロナ後の教育へ」(苅谷剛彦著)を読んで

      私は、カリキュラムオーバーロード問題に課題意識があります。 例えば、現在の学習指導要領において、小学校にはプログラミング教育と英語科が導入されました。 理念は分かりますが、これによって小学校教員に求められることが増えたことは間違いありません。この問題をどう解決していくかが問われることになります。ただ、そもそも論について考えていく必要もあると思います。 ■ポジティブリストとネガティブリスト 苅谷(2020)は、学習指導要領に関して次のように述べています。 学習指導要領の内

      • 教員養成・研修の課題「How people learn」→教師の学びも学習者中心であるべき!

        中教審第240号「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について ~「新たな教師の学びの姿」の実現と、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成~」(以下、「答申」)において、教師の学びについて次のように記されています。 では、教師自身の学びとは何か。 個人的・協働的な学び、公的・私的な学びなど、多様なものが考えられますが、答申の言葉にもあるように、「研修」が教師の学びの1つだと言えます。「研修」という言葉からは、校内で行われる「校内研修」や、教育

        • カリキュラムオーバーロード問題:変わることは簡単ではない。

          前回、文部科学省大臣の発言をもとに、学習指導要領が減るかもしれないという投稿をしました。 これ自体も実現は簡単ではありませんが、学習指導要領が変わった先にある、学校が変わることも簡単ではないと思います。 これは教育委員会への調査ですが、学校の場合、「地域とのつながり」や「力を入れている行事」などの理由によって、さらに簡単ではなくなると聞きます。 減らすことは、それほど難しいのだと思います。 ■FAXは使っていますか? このことと関連して、次のような記事もありました。

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          カリキュラムオーバーロード問題:次期学習指導横領の内容は減るのか?

          次期学習指導横領に向けて、中教審の各部会で議論が進んでいます。 先日は、教育課程部会が開催され、部会長には奈須正裕氏(上智大学教授)が選任されました。 この日は、PISA2022の結果を踏まえた議論等がなされました。 私が注目しているのは、カリキュラム・オーバーロードの問題です。 働き方改革の視点、学校主体のカリキュラム・マネジメントの視点からも、教委課程において何をどこまで求めるかを見直したうえで、今後のことを考えていくことは非常に重要だと思います。 この点について、今

          カリキュラムオーバーロード問題:次期学習指導横領の内容は減るのか?

          「すべての子どもたちに必要なもの」とは?

          タイトルにインパクトがある本を最近読み、タイトルも含めて刺激をもらいました。 「日本を滅ぼす教育論議」 岡本薫 講談社現代新書 2006年 著者は、大学卒業後、文部省に入省し、OECDや文化庁に出向するなどした後、政策研究大学院大学教授を務めています。 だからこそ、キャッチ―な題名だけで終わることなく、地に足付いた根拠を踏まえて、日本の教育に問題提起をしています。 ■穴をふさがずに、水を注ぎ続ける日本の教育 この指摘に大きく頷きました。また、例えが秀逸だと思いました。

          「すべての子どもたちに必要なもの」とは?

          これからの教員に必要な資質・能力とは?

          1人1台端末、学習者用デジタル教科書など、これまでの学校にはなかったツールの活用が求められています。もちろん「使うこと」が目的ではなく、児童生徒の資質・能力を伸長するために、手段として使うことが大切です。 とは言え、頭では分かっていても、実際にはなかなか難しいところがあるものです。ある段階までは「使うこと」を目的にするのも大切だと思います。そのうえで、子どもの実態や各教科の特性に応じて、効果的な活用をしていく段階に移っていくことになるでしょう。 ただ、指導主事の立場から見ると

          学校が最悪の状態にあるとき、全員に全く同じ順序で教える。では、最良の状態のときには?

          「自由進度学習」といった個別最適な学びを促す授業が注目されています。しかし、これが方法論になってしまっている状況も散見されます。「自由進度学習をやること」が目的になっている場合です。本来、「自由進度学習」は手段であり、達成される目的があるはずが見失ったり、そもそも目的をもっていなかったりする場合も考えられます。 そんな時、「そもそも論」で考えることは重要だと考えます。 この指摘は、学校関係者には胸が痛くなる方も少なくないと思います。いわゆる一斉学習が、「最悪の状態」だと指摘

          学校が最悪の状態にあるとき、全員に全く同じ順序で教える。では、最良の状態のときには?

          学習到達度調査「PISA2022」の結果から考えること

          先日、経済協力開発機構(OECD)が行っている学習到達度調査、いわゆるPISA調査の結果が公表されました。 3つの領域の全てにおいて、世界トップレベルという報道がされています。  ■ 数学的リテラシ― 5位(前回 6位)  ■科学的リテラシ―  2位(前回 5位)  ■読解力       3位(前回15位) この理由として、コロナ禍による休校期間が短かったということが挙げられています。もちろんそれもあるでしょうが、学校現場の先生方の努力があることは間違いないと思います。

          学習到達度調査「PISA2022」の結果から考えること

          一斉講義型授業からの脱却に向けて、指導主事の視野を広くする!

          教師主導の一斉講義型授業から、学習者主体の個別最適・協働的な学びへの転換が言われています。もちろん、昔から学習者主体の取組を進めている学校や先生はおられますし、逆に、ポリシーをもって一斉講義型に近い授業を行い、確実に児童生徒の資質・能力を伸ばしている先生もおられます。ただ、これまで自分が受けてきた授業から抜け出せずに、一斉講義型の授業を行い、何とかしたいと思いながら変わらずに授業をされている先生がおられるのも事実だと思います。こういった先生に、指導主事はどのような関わりができ

          一斉講義型授業からの脱却に向けて、指導主事の視野を広くする!

          全員に全く同じ順序で教える時の学校の状態は・・・(「脱学校の社会」イヴァン・イリッチ著)

          最近は、古い書物も紐解いています。その中には、現代にも当てはまる内容のものもあります。特に、課題として指摘されている部分は、確かに今、そうなっていると思うことがよくあります。 上記の引用の中で、「全員に全く同じ順序で教える」とあるのは一斉講義型の授業がイメージされ、これは最悪の状態だと述べられています。また、「一つのコースを選択することが許される。」「一人一人の活動が特殊化され、その活動のためにそれぞれが仲間を探す」とあるのは最近話題の自由進度学習がイメージされ、これは最良

          全員に全く同じ順序で教える時の学校の状態は・・・(「脱学校の社会」イヴァン・イリッチ著)

          指導主事が問うことで始まる。

          教師は省察的実践家と言われます。だからこそ、教師の指導者ともいえる指導主事は、教師の省察を促すために問うことが大切だと考えます。 このことに関係する考え方して、元・プロ野球監督の野村克也氏は次のように述べています。 ■あなたはどう答える? 野球の話ではありますが、学校教育にも、指導主事と教師の関係にも当てはまると考えます。 例えば教師に、「こういう実態の子どもたちには、どのような指導が適切ですか?」と聞かれた時に、指導主事であればどのように答えるでしょうか。  ① そうい

          指導主事は、「言う」のではなく「伝える」。そして問う。

          ■教師の学びの姿も、子供たちの学びの相似形 「主体的・対話的で深い学びの授業をしてください」と、指導主事が教師の方々に一斉講義型で伝える研修は、ブラックジョークと言えるかもしれません。言ってることと、やっていることに矛盾があるからです。 この点に関して、「教師の学びの姿も、 子供たちの学びの相似形である」(中教審240号)と指摘され、子供に求める力を育成する授業を行うためには、教師自ら問いをもつ学びを展開することの重要性が示されています。 「令和の日本型学校教育」を担う教師

          指導主事は、「言う」のではなく「伝える」。そして問う。

          発問は何のためにするの?

          教師になったばかりの頃は、深く考えることなく、子どもとやり取りしていました。 その後、教師の言葉は指示や説明、発問に分類できることを知り、なるほどと思いました。このことについては、教育実習生にもよく話をしていました。使い分けることで、子どもへの接し方が変わった実感があったからです。 この中の「発問」に関する本を最近読み、「おぉ!」と感じた文章があったので共有します。 ■インパクトと納得感 この中の、「教師の問が不要になることを目ざして教師は問を発していく。」という部分には

          データなどのエビデンスを基にした話が重要かどうか。

          私の大学院での研究テーマは「教員研修」であり、どのように行うことで行動変容につなげることができるかを考えています。 多様な本や論文を読んでいますが、少し前に読んだ本の中から印象に残った部分を抜粋し、考えたいと思います。 指導主事になってすぐ、「根拠を大事にすること」と教えてもらいました。確かに教員時代は「根拠、俺。」で語ることが多かった自分を自省し、学習指導要領をしっかり理解することに努めました。 また、施策の提案においては、現状と課題を分析し、立案を行うことが求めれます。

          データなどのエビデンスを基にした話が重要かどうか。

          1人1台端末とChatGPTが、個別最適な学びを現実的なものにするのか

          文部科学省も検討を始めているChatGPT等の生成系AIですが、「使わない」という選択をする前に、「何のために、どのように使うのか」をまず考えてみる必要があると思います。 少し前に、東京大学の吉田塁准教授が資料を公開されていました。ChatGPTの教育利用について、非常に分かりやすくまとめられていると感じました。 イベント「教員向け ChatGPT 講座 ~基礎から応用まで~」 5/13 開催報告と振り返り│Lui Yoshida Lab (u-tokyo.ac.jp)

          1人1台端末とChatGPTが、個別最適な学びを現実的なものにするのか