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データなどのエビデンスを基にした話が重要かどうか。

私の大学院での研究テーマは「教員研修」であり、どのように行うことで行動変容につなげることができるかを考えています。
多様な本や論文を読んでいますが、少し前に読んだ本の中から印象に残った部分を抜粋し、考えたいと思います。

100件近くの大規模な変革の取り組みについて 調べた研究によると、とくに目覚ましい成功を収めたとみなせる20件の取り組みのなかで、 経験や感情よりもデータや分析が成功のカギを握っていた例はひとつもなかった。そうした成功例でデータや深い思考が活用されていなかったわけではない。ほとんどの場合、きわめて質の高い思考が実践されていた。しかし、変革を素早く成功させるカギを握っていたのは、明らかにほかの要素だった。それは、人間の頭脳よりも心に関わるものである。

組織はなぜ変われないのか
ジョン・P・コッター
ダイヤモンド社 2002年

指導主事になってすぐ、「根拠を大事にすること」と教えてもらいました。確かに教員時代は「根拠、俺。」で語ることが多かった自分を自省し、学習指導要領をしっかり理解することに努めました。
また、施策の提案においては、現状と課題を分析し、立案を行うことが求めれます。
こういった要素が重なってくると、全ての場合にデータや数値を当てはめることで問題が解決してするように錯覚するように思います。
こういった思い込みを打破してくれたのが、上記に引用した部分です。

■ 授業観の転換

今、教師主体の授業を学習者主体の授業にしていくことが叫ばれています。あえて「今」と書きましたが、この視点は何十年も前から国は示している考えであり、実際はなかなか変わっていないのが実情です。
それを変えていくためには、何をすれば良いのか。そして何をしない方が良いのか。
これを広く、深く考えている途中ですが、現状の私は、「ストーリー」を1つのキーワードとして考えています。理論を説明して相手の頭の中を変えることよりは、共感を得られるストーリーを提供することで相手の心を動かすことを優先することが効果的ではないかと考えています。

■ まとめ

データなどのエビデンスを基にした話が重要かどうか。
ストーリーをキーワードに、教材を作成したり、研修デザインを行ったりしているところですが、エビデンスを蔑ろにしているわけではありません。「根拠、俺。」ではなく、私自身は理論をしっかり学ぶようにはしています。
ただ、相手に対しては、理論ではなくストーリーを前面に出すように心がけています。思いが伝わる部分も多く、手応えを感じることが増えてきています。

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