間違える事は恥ずかしくない。現役塾講師として消しゴムを没収
理系科目での消しゴム没収
僕は一時期塾で数学や物理、化学での授業中消しゴムを没収しました。
もちろん狙いがあり、最終目標である生徒の学力向上や受験合格に向けたものです。
しかし、本当の目的は中学生なら高校受験後の高校での勉強を視野に入れています。
なぜ消しゴムがいらないのか?
この考えに至ったのは大学入学時に物理の先生から言われた一言です。
「間違えを間違えと思い失敗を恐れてはいけない、
アカデミックな分野では99.9%研究は失敗するんだから」
その先生の講義ではシャーペン禁止
そして、ボールペンのみの使用です。
授業を受けていた当初は意図が全く分からずに言われたとおりに
ボールペンを使用していました。
なんとなく、ボールペンで式を立てたりしていると、やはり大学での物理の授業は難しく何度も何度も式を組み替えたりします。
その中で気づいたのは
消しゴムで気軽に式を消してしまうとどんな風に間違えたかが分からないんです。
ボールペンだと消すことは無く自分がどの様に間違えたかが鮮明に見えてくるんです。
なぜ、こんな簡単なことに気付かなかったんだって思うくらいでした。
しかし、こんな革命的かつシンプルな手法を僕の塾講師としての仕事に転用しない手はないと思いました。
試験的に数学、物理の授業や問題を解く際に生徒の鉛筆の使用をうながしました。
嫌がる生徒
シャーペンからボールペンに切り替えた当初なぜか受け持っている生徒たちの反応はあまりいいモノではありませんでした。
その理由を何度も何度も考えても分からないいまま少し経ったある日
生徒の妙な仕草を発見しました。
自習対応をしている時に生徒が僕に見せた数学の問題の解答
間違えが分かった瞬間に消しゴムで消すんです。
まるで自分の式を見られたくないかの様に。隠しながら。
なんで消すのかと聞くと間違えが恥ずかしいとのこと。
そこまで気にするのか?と思って
複数の生徒に聞いてみるとみんなすぐに回答を消すのは「恥ずかしいから」らしいです。
そこで、間違える事の重要さをしっかりと生徒にゆっくりと説いていくことがこの先の生徒たちのこの先の学力に大きな影響を与えれるんじゃないかなと思ったんです。
クレーム覚悟の消しゴム没収
生徒から消しゴムを没収したことによって保護者からのクレームはある程度予想できました。
当時講師リーダーとして働いていた僕でもなかなか思い切った施策だったと思います。
なんせ、この考えを生徒たちに説明し、理解をもらうのにはなかなか時間がかかりました。
このやり方に圧倒的に自信を持っていた僕はまず、実行してみようと思いました。
しかし、クレームの連発…
恐らく、「生徒から塾の講師がなんとなく消しゴムを没収した。」
という事実だけが伝わり反感を買ったんだと思います。
しかし、誠意をもって保護者の方に理由説明を行うと皆さん理解していただきました。
そこから生徒たちは間違えを恐れずに問題に取り組んでくれています。
気づいたのは圧倒的に同じ間違えを繰り返ししまう確率が格段に下がったことです。
結果的に勉強効率も下がり、長期的に生徒たちの学力向上に繋がったと思います。
カニ味噌を捨てている
間違えた問題を無視してしまうのはもったいない
僕はよくカニ味噌を捨ててしまうと言っています。
それも学生たちには伝わりづらいのかなとおもっていますが…(笑)
カニみそは見た目が悪いですがおいしい…
捨ててしまうのはもったいない!
それ以上に間違えた問題を捨ててしまうのはもったいないよとこれからも生徒たちに伝えていこうという所存でございます。