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「日出る処日本」に圧倒され、「動植綵絵」に見惚れる(後編)

 北の丸尚蔵館での企画展「瑞祥のかたち」前編でお伝え出来なかった
「鳳凰」の作品、そして伊藤若冲について掲載させて頂きます。


前編はこちら。




🔶鳳凰ほうおう

鳳凰は、竹の実を食べ醴泉れいせんの水を飲む。
※醴泉:甘い味の泉で、中国で太平の世に湧き出たといわれる。
日本酒の銘柄にもなっている。









旭日はこちら



3つの作品が同時に観られます。



 それでは、メインディッシュである伊藤若冲の動植綵絵(国宝)に行く前に伊藤若冲の人となり、そして9年前、東京都美術館での生誕300年記念の展示会場で購入した「100%Jakchu 若冲原寸美術館」をちら見の後、今回現地で配布されたパンフレットをスキャンしましたのでご紹介したいと思います。

🔶伊藤若冲いとうじゃくちゅう

1716年3月1日(正徳6年2月8日) - 1800年10月27日(寛政12年9月10日)は、江戸時代の画家。名は汝鈞(じょきん)、字は景和(けいわ)。
初めは春教(しゅんきょう)と号したという記事があるが、その使用例は見出されていない。斗米庵(とべいあん)、米斗翁(べいとおう)、心遠館(しんえんかん)、錦街居士とも号す。

京都の青物問屋「枡屋」の長男として生まれる。
裕福な環境のもと、独学で作品を制作。 細部まで描き込まれ、極彩色で彩られた絹本着色の作品や、即興的な筆遣いとユーモラスな表現が特徴の水彩画は、日本美術史上でも異彩を放つ。
「升目描き」という新しい画法を考案。狩野派系の町絵師や写生画の専門家たちから絵を教わっていたといいます。 仕事より絵、もっといえば、勉強も絵というほど、絵を描くことが大好きだった若冲は、中国の新しい花鳥画なども積極的に学び、オリジナル技法を開発していきました。

代表作に「動植綵絵」「鳥獣花木図屏風」など。18世紀の京都画壇では円山応挙に次ぐ有名な存在であった。1800年没。
その評価は明治時代になっても高く、相国寺に所蔵されていた「動植綵絵」が1889年に宮内庁に献納される。
御物として一般から隔離されたことにより、若冲の存在はしばらく忘れられることになる。
再評価に至ったのは第二次世界大戦後、アメリカのコレクターであるジョー・プライスが若冲の作品を熱心に買い取り、一大コレクションを築いたことに起因する。
プライス夫妻と美術史家の辻惟雄・小林忠が協力して1971年、東京国立博物館などで若冲展を開催。
辻は著書『奇想の系譜』([初版1970]筑摩書房、2004)や『若冲』([初版1974]講談社、2015)などによってその価値を提示した。
以後、2000年に京都国立博物館で開催された「-没後200年- 若冲」をきっかけとして一般にも広く知られるようになり、06年の東京国立博物館、16年の東京都美術館の展覧会では長蛇の列ができるほどの人気となった。

出典:Wikipedia美術手帳より引用


動植綵絵どうしょくさいえ

2016年生誕300年記念の展覧会会場で購入した「100%Jakuchu 若冲原寸美術館」小学館発行。


同誌から一部紹介。

動植綵絵/紫陽花双鶏図あじさいそうけいずの一部
(PC画面:原寸大、スマホ画面:30%)
動植綵絵/紫陽花双鶏図の一部
(PC画面:原寸大、スマホ画面:30%)




ここからはパンフレットから動植綵絵どうしょくさいえ全30幅をご覧いただければと思います。
パンフ原寸だと小さくなってますので、いくつかの作品だけ拡大してあります。
画像は荒いですが、お楽しみ頂ければ幸いです。








長らくお待たせ致しました。
国宝 動植綵絵「老松白鳳図」をご覧頂きたいと思います。

動植綵絵どうしょくさいえ老松白鳳図ろうしょうはくほうず


引き伸ばしたこちらで、躍動感ある一幅をじっくり味わってください。

架空の生き物である白鳳が生き生きと描かれている。
まずはなんといっても、羽一枚、一枚のあでやかさに目を奪われる。
今にも羽ばたいて飛翔とびたっていくかの様な仕草が足先から翼、尾羽にも息づいていて、嘴からは啼き声が聞こえてきそうである。

推定50歳頃の作品。
敬虔な仏教徒であったと聞いているが、研ぎ澄まされた感性の持主で想像力も豊かだったのであろう。
そして、人間として脂が乗り気っている年齢だからこそ、繊細な描写の中にも円熟味と勢いが強く感じられる。

松の枝に鳩が覗き込んでいるあたりは、一幅の絵としての楽しみを膨らませる気配りとしての遊び心が施され、お天道様が全体のカラーバランスを取るかの如くさりげなく配置されている。

今回、とてつもなく良い物を鑑賞させてもらった。

北斎は若冲には出会っていないとされるが、もし出会っていたら、そして北斎がこの白鳳図を観ていたとしたら作風にどんな影響をもたらしただろうかと考えただけでワクワクするとても楽しい時間を過ごすことができた。


今後こちらで開催される企画展でも若冲の作品がいくつか鑑賞できるので、また楽しみにしたいと思う。

(了)




#伊藤若冲 #三の丸尚蔵館 #鳳凰 #動植綵絵 #国宝
#寒い日のおすすめ #美術鑑賞

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