北斎ふたたび@すみだ
今日は朝から商談が入っていたので新宿へ。
仕事が昼前には片付いたので、そばを味わいたい。
北斎の作品を観にいくのなら、ここはやはり手打ちそばだろう。
ということで、西口からほど近い「ふじや」さんに向かう。
🔶新宿 ふじや
ビル1階にある静かな佇まいの店だ。
ところが、店内に入るとほぼ満席。
一番奥の個室っぽい席に通された。
どうせなら、「二色もり」を試してみたい。
「大海老と季節野菜の天もり」も捨てがたい。
ここは奮発して、「大海老と季節野菜の天もり」で「二色もり」といこう。
長野安曇野以来の手打ちそばだ。
まずはスタッフさんお薦めの通り、何もつけずにそばを啜る。
中太麺でほどよい固さで、香り、歯ごたえ、舌ざわり、のど越しともに良好だ。
続けて、そばツユをつけて一気に啜る。
「う~ん、コレコレ。」
そばツユは、鰹出汁とかえしのバランスもよい。
一気呵成に食べ終え、天婦羅に向かう。
まずは、舞茸からまいろう。
藻塩をちょいつけて、口に運ぶ。
衣はかりっと良く揚がっていて、舞茸はしんなりとした食感で風味も口の中で漂う。
先に食べたそばの余韻との相性も抜群だ。
本来なら冷酒をチビっと行きたいところだが、ここはじっと我慢の子。
続けて、海老の天婦羅に挑もうではないか!
大振りなので、口に頬張ると甘味があってとても美味だ。
いや、これでかなりお腹いっぱい。
と思っていたら、十割そばの到着だ。
これまた、香り、歯ごたえ、舌ざわり、のど越しとも良い。
残念なのは、天婦羅でお腹いっぱいになってしまい、味覚が鈍り、二八との違いが正直わからない。残念(>_<)
いやはや、ご馳走様でございました。
満足、満足。
夜のメニューも覗いてみよう。
こちらは90年以上続く老舗だそうだ。
ホームページを見れば、蕎麦前は他にもいろいろ揃っているようだ。
あやのんさん、写仏部会合の一次会、蕎麦前とシメのそばはここが良いんじゃないかい?
👇あやのんさんの最近の話題作はこちら
そして、酔いが回ったら伴奏付のカラオケBARに行き、皆で歌いまくる。
どう、良いでしょう?
あや:「アタシ、池波正太郎の世界に憧れてるの。」
E:「そうだよね、そうすると、蕎麦前で日本酒をチビチビだね。」
「しかし、シメのせいろそばに辿り着くまで容易なこっちゃないよ。」
あや:「しまった。我々、酒豪なの忘れてた。」
E:「そう、池波正太郎もいいけど、今日は一旦忘れて、憧れんのやめませんか!」(大谷翔平 気取り)
因みに、池波正太郎が愛したお店は
神田小川町「まつや」、浅草「並木藪そば」、神田神保町「松翁」
この3軒が有名だね。
いずれ記事にしますね。
はてさて、本日の目的地に向かおう。
🔶すみだ北斎美術館
葛飾北斎の家系図が掲げてあった。
作品にばかり目が行きがちで生い立ちや家族がどんなだったのかが意外と知られてない。
尚、本名は中村鉄蔵とされる。
意外と平凡な実名だ。
北斎は2度結婚して、双方に1男2女の3人の子供、後妻「こと」との間に生まれた三女阿栄(葛飾応為)と最期まで暮らしたそうだ。
母親については、創作物「忠臣蔵」で有名な吉良上野介の家臣であった小林平八郎の孫娘とされ、北斎は曾孫という伝承が残されている。
しかし、残念ながら家系は絶えてしまっているようだ。
芸術家とは、得てしてそういうものなのか、、、。
こういう現実を知ってしまうと、世に現存する原画などを保存するのって、難しいんだね。
長い歴史、時間の流れの中では必ず災害や戦争などによって破壊されてしまったりするので、後世に向けて如何にして保存するかっていうのは重要で永遠の課題ですね。
この美術館では、光に弱い原本を守るため、ほとんどが高精細レプリカでの展示となっている為、酷評されることが多いようだが原本保存という観点からするとある意味致し方ないことかも知れない。
自ら漢方薬を作って常用していたようだ。
病や体調不良には、結構気にかけていた事が窺える。
長寿でタフだったのは、こうした自身の健康への気配りが大きいのかも知れない。
それでは、ずずいと観て行きましょう。
肉筆画「隅田川両岸景色図巻」。
全長は北斎の作としては最長とされる716センチメートル、幅28.5センチメートルで実物大のレプリカで展示も、本作品は撮影不可です。
画像をお借りして、雰囲気だけ味わって頂こう。
どうやら、右側で遊女4人を侍らせている茶色の着物姿が北斎と言われている。
これだけでは、絵の解説にならないので更に下記をご覧ください。
若い頃は、絵を描きつつも遊女に囲まれて良い思いしてたんやおまへんか!
門人露木為一が絵に残していたものを再現したものである。書き損ねた紙とかが部屋内にかなり散乱していたようである。
🔶編集後記
小布施で観た北斎とは全く違って、平常心で観ることができた。
小布施での祭屋台、そして岩松院の「八方睨み鳳凰図」には訴えかけてくる迫力に圧倒され、心を鷲掴みにされた。
今も脳裏に焼き付いているけれど、すみだでの作品は時間が経ってもそうした余韻がまったくない。
晩年の作品にはひとことで言うと凄味があるということなのだろう。
これは、長く人として生きてきた業が凝縮されているからに違いない。
そして、残念なのは、娘 応為の作品を観ることが出来れば、などと淡い期待もしたのだけど空振りに終わった。
仕方ない、どこかでの展示を待つこととしよう。
最後に代表作のタペストリーを観て、館を後にしよう。
これにて閉幕でござる。
お付き合い頂きありがとうございました。
長野小布施町を訪れた時の記事はこちらです。
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