見出し画像

映画体験

映画館で映画を観る体験。

そう!それは体験なのだ!

わざわざ、手間隙かけて出かけて行く。(名画座だったらまだ「チョット映画でもみるか」が可能かもだが)
そうして、映画館に入って客席に座り、次第に暗くなっていって、上映が始まる。

誰かと観に行っていたら、後々、映画のことだけでなく、その時の映画を観るまで&観た後のことまで、話しができる。

そんなこんなを、全部ひっくるめて、まさに、映画体験と言う他ない、その時の体験をすることができる、のだと思う。

そうだ。

私が二十歳代だった頃、東京でアパート一人暮らししてて、(お金がなかったから)名画座通いをしていた。ロードショー館なんて論外だった。

文芸坐、早稲田松竹、飯田橋ギンレイホール、三鷹オスカー、等々。

私にとつては、ことに文芸坐&文芸坐地下。

主に、文芸坐が洋画で、地下が邦画。

いろんなチラシがいっぱい置いてあった。

あの頃、文芸坐地下入り口へ行くコーナーに、映画関連書籍の書店がオープンしたり、その書店のわきから下りていく劇場ル・ピリエもあって、私はル・ピリエで森田童子のライヴを聞いた。

文芸坐では、落語も催されたし、泉谷しげるや原田芳雄のライヴコンサートもあったし、

五本だて特集のオールナイト上映にも、何度も通った。

文芸坐地下での、健さん映画で、高倉健の名前がスクリーンに出たら拍手がおきた。

その前に、川崎チネチッタ劇場(昔の名前は違ってたかも?だが)での、映画体験があった。

映画を観るために並んで待つことを初めて体験したし、その川崎チネチッタ劇場での、邦画名作特集で、黒澤明溝口賢二小津安二郎木下恵介成瀬己樹男市川崑山田洋次等々の、名作を観たのだった。山田洋次監督映画は寅さんしか知らなかった私は、『なつかしき風来坊』や『馬鹿まるだし』や『馬鹿が戦車でやってくる』などの映画を知った。
そうそう!今村昌平がいた。『豚と軍艦』や『神々の深き欲望』。

大島渚や篠田正浩や吉田喜重監督映画も!

そういえば。

勅使河原宏や松本俊夫や高林陽一や寺山修司などの映画も、文芸坐地下で観たのだと思う。

篠田正浩の『心中天網島』は、新宿にあった蠍座で観たと思う。

私が10歳代終わり、上京したての頃、寺山修司の天井桟敷は、渋谷の明治通り沿いにあった。そこの地下で、寺山修司の(実験的?前衛的な?)映画が上映されていた。

映画撮影所での修行を経ない、自主製作映画出身の監督たち(大森一樹井筒和幸長崎俊一森田芳光等々)が出てきていた。

あ~~~・・・

いろいろ、思い出されてしまうなぁ(^_^;))

そんなこんなの、それは、私の若かりしころの映画体験だったのだ。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?