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お食事の話

 お食事について考えたことある?と聞くと、「当たり前じゃん!糖質制限してるからご飯は毎日気をつけてるの〜」という返事が返ってきそうだけど、違います!食習慣、食文化のお話でした〜

 これはある日、食文化について話している時のことだった。その時はバングラデシュの魚文化の話をしていて、インドの西ベンガル州とバングラデシュでは魚料理がよく食べられ、文化として根付いているという話だった。ベンガル地方では河が多く、魚を食べる歴史も長い。そのため、色んな時代を乗り越えた今でも、魚文化はベンガル人の間に深く根付いており、魚カレーはポピュラーや食事だ。

↑ベンガル料理プージャーさんの魚カレー(画像にリンクついてるよ〜)

 そう考えると、ベンガル地域、そして私の母国である中国と比べてみると、日本の食文化は多様だ。ベンガル地域はそんなに詳しくないので、日本の食卓と私の故郷の食卓と比べてみると、日本では、全部の家庭ではないけど、和食以外のお食事もおうちで食べたりする。例えばカレー、ハヤシライス、パスタ、餃子など、朝食はご飯派かパン派かという競争も、小学校で流行ったりした。ちなみに、カレーは18Cにインドからイギリスに伝わった後に日本に流入したから洋食なんだって。

 日本のような多様な家庭食文化は、中国ではそんなに多くはない気がする。少なくとも私が住んでいる地域では。もちろん外食や、最近ではデリバリーが盛んなので洋食やエスニック料理は食べるけど、自分で調理するってなるとやっぱり中華になるのだ。私の故郷のおうち、近い親戚のおうちを思い出してみると、やっぱり食卓は中華風。フォークは家にあっても食器のナイフはおいてないし、夕食で麺類を主食にする日は年に5回あるかないかくらい(場所もそうだけど、私の家系では麺よりビーフンなどの米系が好きみたい)。家でパスタを作ったことはなかったし、前日にパン屋さんよって朝食用のパンを買ったりはするけど、食パンを家にストックして、朝みんなで食パンにバターを塗りながら朝食をとるなんてもはや考えられない。シュールすぎ。

 気になって日本の洋食文化への受容について調べてみると、日本の洋食文化は上からの普及、そして意識の上下関係が影響していると言われている。簡単にまとめると、幕末以前では、流行は下から広がるものだった。明治時代に入ると、西洋化は天皇によって上から下へ意図的に促進された。そこで牛肉の普及やPRにめっちゃ力入れていたら、世間に受容されたらしい。そしてもう一つの背景として、食文化の受容には差別あるいは上下関係の意識が付きまとうということだ。

 もとより、様々なものが紹介されても、全てが根付くわけではなく、選択的な受容だった。それが変容を遂げ、世間に広まっていく。明治時代では、西洋化によって食文化の受容が始まったが、この時期では、中国や朝鮮を見下ろし、忌避する傾向があったため、中華料理と朝鮮料理は日本コミュニティにはあんまり受容されなかった。中華料理や朝鮮料理が本格的に受容され始めたのはWWIIの後からだった。近年のエスニックブームも、ベトナム戦争後にベトナム人が難民としてアメリカや欧州に渡り、ベトナム含め東南アジア料理が現地でブームになった後に、日本で流行りになった。つまり、エスニック料理は、欧米という 「上」 のお墨付きでもって受容されたということがありえる。

(https://www.meijigakuin.ac.jp/gengobunka/bulletins/archive/pdf/2018/21morieda.pdf)

へええ〜なるほど〜!!

 もう一つ話していて面白いと思ったのは、日本では様々な料理に対応する調理器具や材料を比較的に簡単に手に入れられるし、それを持っている人も多いということだ。大きい鍋や小さめの鍋、こだわりのある人はオムレツ用のフライパンも持ってたりする。しかし私の中国の家を考えると、持っているのは中華鍋とスープを作る大きめの深鍋くらい。それはパスタや揚げ物も、なかなか自分で作ろうとしない原因なのかもしれない。しかし今ではECやネットが普及していて、色んなレシピが出ているし、モノも手に入れやすくなっている。中国の食卓も、今後は徐々にジャンルが増えていくかもしれない。

↑中華料理は強火一気に炒めることで香りを出すので、フライパンよりも中華鍋の方がやりやすいらしい

最後に、私が大好きな中国朝ごはんを貼っとく。これはチョンファンというライスヌードル。トゥルトゥルしてて、広東省のソウルフード、美味しさもソウル級。お肉だったり卵だったりエビだったりの餡が入ってて、中国に帰省したらとりあえずこれ三皿は食べる。


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