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心のnote|エッセイ・創作

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「きっと、誰にも、聞こえない。」 そんな心をふと、垣間見る。
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#心

ただ、そこにいる。

ただ、そこにいる。

流される日々の、微かなほとり。
その腕に抱かれ、私は眠る。

さざなみ、こもれび、並木道。
せせらぎ、ともしび、風の音。

ゆらぎ、たゆたい、それでもそこに。

そうしたあいまいが、
かしこまった私の、輪郭を撫でる。

すうーっと溶け出した、
小さなわたしは、

鈍く、味気ない音を立てて、
シンクを濡らす。

また、知らない誰かの、
夢を見ていた。

自由という不自由

自由という不自由

本当の意味で「好きにできる」人間が、
いったいこの世にどれほどいるのか。

もし、「僕は、私は、自由です!」
という人がいるならば、ぜひ話を聞いてみたい。

少なくとも、僕にはできない。

プライドのせいじゃなく、
お金のせいじゃなく。

無知のせい。

檻の中がすべての人に、
外の何がわかるだろう。

私ごとだが、一人暮らしならぬ、
3人暮らしを始めた。

困るのは、会話。

何を話せばいい?

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「なんでかわからない」のが一番怖い。

「なんでかわからない」のが一番怖い。

「最初から勉強。じゃなくていいんです。 
話し相手になってくださったら。」

家庭教師として行ったご家庭からの言葉。
受け持つ彼は不登校。

僕はコミュニケーションが苦手だ。

翌日から、授業を始めた。

「なんでかわからないんです。」

どこかマイナスの気を帯びていた。
けれども人間不信という感じでもない。

きっと、彼はゆでガエル。

ゆっくりと、しかし、着実に
心を蝕ばまれていく。

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