見出し画像

「夢」は絶対持たないといけないものなのか

夢を持つことはすばらしいことだとされています。
極端に言えば、「夢を持たなければ充実した人生を送ることができない。」若い人々の中には、夢を持つことを「強制」と感じ、大きな負担になっている人々もいます。

(ドリーム・ハラスメント 「夢」で若者を追い詰める大人たち 高部大問著)

本書は、このように感じる若者が少なからずいる現状、問題点について書かれています。

私は現在、社会人として働いています。
この本を手に取った理由は、子供のころから将来の夢や実際に就職するときにもやりたいことに対して、非常に悩んだ経験があるからです。
恥ずかしながら、今でも自分なりのビジョンはなんだろうと考えてしまうことすらあります。

そのため、この本の内容は非常に共感出来ました。
夢を持つことが絶対ではない。小さな成功体験を積み重ねて、成長していた人もたくさんいる。
そんなアドバイスも書かれていて、自分の夢がわからない、悩んでいる方(特に若い方)は読んでみると、別の視点を手に入れることができるのではないかと思いました。

子供の頃から、夢や成し遂げたいことを持っている人はいると思います。
私としては、うらやましい限りですが、その方々にもその人なりの悩みが当然あることを本書は言及しています。
そもそも、現代のように将来の見通し、予測がつかないVUCAと言われる世界では、早い段階で目指すべき方向性を決めることが変化への対応を遅らせてしまうのではないかという問題定義もされていました。

確かに、そういう意味では夢を持つことを具体的な職業になりたいと捉えると、時代に適応できなうなってしまう可能性が高い気がします。
(例えば、夢=医者になりたい、サッカー選手になりたい)

そうではなく、自分なりの大切な価値観を自分自身で認識しておくだけで、充分なのではないかと思います。
なりたい職業で絞るよりも、もっと大きな枠組み=価値観で将来を漠然と捉えるというイメージでしょうか。
(例えば、価値観=困っている人を助けたい、細かい作業に携わりたい、勇気を与える存在になりたい、自分の身体で勝負したい、集団での達成感を味わいたいなど)

と言いつつも、私自身自分なりの価値観をはっきり見出せていませんが。

こういった価値観もいろいろ経験しないと自分自身で認識することは難しいでしょうから、まずは行動することが大切だと思います。


ちなみに、私が10年以上前に就職活動をしていた当時、結果が思うように出ませんでした。
というよりも、志望動機を書くことの苦痛や、就職をすることで「自分らしさを活かして、なにをしたいのか」という命題に答えが出ず、悩んでいた時がありました。
そんなときに、励まされた本がありました。


香山リカさん著の「就職がこわい」です。
この本は、自分のやりたいことやあなたらしさはそう簡単に見つかるものでもないことを教えてくれ、当時の私の心を軽くしてくれた本でした。

夢を持つことは絶対ではないし、持たなくても充実した生き方はできる、そんな視点を多くの人が持ってくれればと思います。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?